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氷の話

水は我々が生活する上で欠くことのできない物質の一つです。トイレを流す、お風呂に入る、お米を炊くなど、全て水が必要ですね。

その中でも固体の状態の「氷」について考えてみましょう。
氷と言われると皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。スケートリンク、雹、雪、流氷、かき氷、アイスコーヒーに入っている氷など、様々なところで氷は利用されています。

透明な氷は
どのようにしてできるか

自然界でできるつららや池の氷は透明ですね。
スーパーやコンビニで売られている氷は透明なのに、家庭の冷凍庫で氷を作るとなぜか中心付近が白っぽくなってしまいますね。
透明な氷はいったいどのようにしてできるのでしょう。
つららは滴り落ちる水が凍って氷となり、その繰り返しによってどんどん大きく成長します。
流氷や川の氷など、水が動きながら凍っていくものは透明で不純物が非常に少ない氷になります。

売られている透明な氷はどうでしょうか。実はこれらもつらら等と同様のプロセスでできています。
大きな製氷容器に水を撹拌しながら比較的高い温度で周囲からゆっくり凍らせます。途中で不純物の含まれる、まだ凍っていない中心部の水を入れ替えることで、比較的不純物の少ない透明部分の多い氷が出来上がります。
そして最終的に透明部分のみを切り出して全体が完全に透明な氷を作成しています。

家庭の冷凍庫で
透明な氷を作るには

家庭で比較的透明度の高い氷を作ることは不可能ではありません。
ただし、それにはいくつかの条件があります。

まずは水に含まれる不純物を徹底的に取り除くことが重要です。
水道水にはカルキと呼ばれる次亜塩素酸カルシウムが含まれています。水は不純物を押し出すように水を入れた容器の周囲から凍って行きます。したがって氷の中心部は不純物が多く集まります。水道水で作った氷の白い部分が美味しくないのはこのためです。
ミネラルウォーターには当然ミネラルが含まれていますが、これも透明度の高い氷を作る上では不純物です。
不純物が入ると水の凝固点が下がり、結果として溶けやすい氷になってしまいます。水中に含まれる不純物を一切取り除いたピュアウォーターで氷を作るのがおすすめです。

しかし、ピュアウォーターをそのまま凍らせただけでもやはり中心部は白い部分が大きく目立ちます。
これは水中に溶存する気体が出てきたもので、完全に除去することは難しいです。ただ、多少なりとも良い結果を出すためにも、ある程度は溶け込んでいる気体を追い出す必要があります。これは水を沸騰させれば良いです。

最後に凍らせ方なのですが、なるべく高い温度でゆっくりと凍らせる必要があります。
家庭用冷凍庫の温度は一般的に摂氏マイナス18度程度と言われています。氷屋さんの氷は摂氏マイナス10度でゆっくりと凍らせているそうなので、なるべくこの条件に近づけます。
水を入れた容器の周囲をさらに発泡スチロール容器などで断熱すると良いです。
中心部に多少白い部分は残りますが、何もしない状態の水よりは見違えて透明度が高くなります。
経験上、冷凍庫の温度を弱に設定したり、大きめの容器で作るなど、水を凍りにくい環境にすると良い結果が得られました。

頭キーン問題

アイスやかき氷を食べると頭痛になる方は結構多いですよね。
これ、本当に「アイスクリーム頭痛」という医学的な正式名称なんです。英語でも「Ice-cream headache」と言います。キーンとなるのは万国共通の症状のようです。

では、なぜ頭痛が発生するのでしょうか。これには諸説あります。
冷たいものを食べたときに、喉が急激に冷えることで喉の奥にある三叉神経が刺激されて痛みが出る。あるいは口腔内が急激に冷却されたため体温を上昇させるために頭に通っている血管を拡張させて血流を増大させたために発生する、一時的な炎症による痛み。もしくはその両方ではないかと言われています。
ですので、ただの氷か天然氷かは関係なく、頭キーン問題には氷の温度が大きく関係しています。

頭キーンを
未然に防ぐには

氷の扱いにこだわっているかき氷屋さんは、氷の温度をある程度上げてから削っているため、非常に柔らかくふわふわの状態のかき氷になります。
これは一般家庭で作るかき氷でも再現可能です。氷の塊を冷凍庫から出して、氷全体から水が滴り落ちる程度まで放置してから削るとふわふわのかき氷が出来上がります。
そのため、口の中に入れると瞬時に溶けてしまい、喉の奥を冷やしすぎるということがないため、頭痛も発生しません。

おいしいかき氷を作るには

家庭でふわふわで美味しいかき氷を家庭で作るポイント:
1. 不純物を含まない水(ピュアウォーター)で氷を作る
2. ゆっくりと凍らせる
3. 冷凍庫から出した氷を、表面に水が滴り落ちるくらいまで置いてから削る

アルピナウォーターで、ふわふわかき氷作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。