水分の取りすぎは便秘対策どころか下痢を引き起こすことがあるといえます
便秘対策として水分をこまめに摂取することは大変重要です。
しかしあまりに大量に水分を摂取すると、便秘の次は下痢に悩まされる可能性があります。
短時間で水分を2リットルから3リットルといった大量摂取すると、胃腸が拒絶反応します。
その結果、数回下痢のような水分の多い便が出てしまいます。
腸で決められた時間で吸収できる水分量には限界があります。
この上限を超えると便に含まれる水分を吸収しきれなくなって、軟便や下痢の症状が出てしまいます。
目次
便秘に目安の水分量は0.15リットル
腸には毎日約9リットルもの水分が流れ込むといいます。
そのうち8リットルが小腸・1リットルが大腸で吸収されます。
大体排便時の便に含まれる水分量は0.15リットル程度です。
この程度の水分量であれば、バナナのような程よい硬さの便になります。
一方これよりも水分量が多いと下痢・少ないと便秘気味の状態になります。
便秘対策で水分を取りすぎないようにするために
便秘の場合に重要なのは水分補給ですが、一方で飲み過ぎてしまうと下痢の症状に悩まされる恐れがあります。
適量を摂取するためには普段どのようなところに気を付けてお水を飲めばいいのでしょうか?
便秘対策のための正しい水分摂取の方法について紹介します。
1日に必要な水分摂取量はどのくらい?
私たちは1日当たりだいたい2~2.5リットルの水分が体外に出て行っているといわれています。
尿や便、汗などいろいろな形で排出されています。
2~2.5リットル出て行っているのであれば、それと同じ量を水分補給しなければならないような気がするでしょう。
しかし水分は食事に含まれていますし、細胞の活動によって作り出すことも可能なので、すべて水分補給で賄う必要はないです。
1日に必要な水分量は一般的な成人の場合、1.5~2リットル程度必要と考えられます。
一般的に体重1kg当たり30~35mlの水分が必要といわれています。
ちなみによく運動する人は、50mlが1kg当たりの基準量としたほうがいいです。
より多くの汗をかいて、水分をよく失うからです。
こまめに水分補給すれば必要な量をクリアできる
1日に1.5~2リットルの水分を補給するといわれると、かなり厳しいと思うかもしれません。
コップで換算すると8~10杯になり、「毎日これだけの量を飲むのは無理」と思うかもしれません。
しかし一度にたくさん摂取するわけではないので、こまめに飲む習慣をつけるといいです。
例えば朝起きたときに1杯、1日3食ごとに1杯ずつ、食事の間に1杯ずつ、夜お風呂前後に1杯飲めば7杯です。
あと1回お水を飲めば、上で紹介した条件をクリアできます。
ちなみにお水である必要は必ずしもなく、ジュースやみそ汁などの汁物でも水分補給できます。
ただしジュースには糖分・汁物には塩分も含まれていますから、あまりたくさん摂取するのは控えたほうがいいです。
水分摂取する際に、お茶やコーヒーで賄おうと思っている人もいるでしょう。
しかしお茶やコーヒーの場合、カフェインが含まれています。
カフェインには利尿作用があり、せっかく水分を補給してもすぐに出て行ってしまいます。
場合によっては飲んだ水分よりも多くの水分が尿として出る可能性もありますから、ますます便秘の症状を悪化させてしまいかねません。
輸入品のミネラルウォーターで水分補給する
便秘対策のために水分補給をするのなら、輸入品のミネラルウォーターを探すことです。
日本で販売されている水は軟水でミネラルがあまり多く含まれていません。
一方海外の水は硬水が多く、ミネラルが多く含まれています。
ミネラルの一種マグネシウムには、便の水分を保持する効果があります。
このため便が硬くなりにくくなり、便秘になりにくくなります。
また海外のミネラルウォーターの中には、炭酸水のものも少なからず見られます。
近年この炭酸水を飲むという人も増えています。
炭酸水を飲むのも便秘対策にはお勧めといわれています。
炭酸ガスには胃腸を適度に刺激する働きがあるといわれているからです。
結果的に便を排出する力を維持でき、便秘になりにくくするわけです。
お水の飲み過ぎで体調を崩す可能性も
マラソンランナーで、足元がふらふらになる人をしばしば見かけます。
普通は脱水症状を起こしているからと思うでしょう。
しかし真逆で、水分の取りすぎでフラフラの状態になっている可能性もあります。
運動性低ナトリウム血症と呼ばれる症状です。
短時間で大量に水分摂取して、血中のナトリウム濃度が急激に低下した症状です。
めまいやふらつき、吐き気、むくみなどの症状を引き起こします。
最悪けいれんや昏睡になって死に至ることもあるので、飲み過ぎには注意です。
こまめな水分摂取を心がけましょう
便秘対策として水分補給することは大事ですが、過度の摂取は逆に下痢の原因となりかねません。
こまめに適量の水を摂取するように心がけましょう。