寝たきりのお年寄りにもこまめな水分補給が必要です
寝たきりのお年寄りは「そこまで水分は必要ないのでは?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
寝たきりの人はあまり動けないため、水分があまり失われていないイメージがあるかもしれませんが、寝たきりの人でも汗や尿など体の水分は失われているので、水分補給をする必要があります。
特にお年寄りは自分では飲みたがらない傾向が強く、寝たきりのお年寄りは自分1人では水を飲めないことも多いです。
介助者が定期的に水分補給を促してあげましょう。
目次
お年寄りに必要な1日の水分補給量を覚えましょう
寝たきりの人の必要な水分補給量は、体重によって違います。
お年寄りの場合、1日に必要な水分量は体重1kg当たり40mlといわれています。
たとえば体重が70kgの人の場合1日の必要な水分量は2.8Lとなりますが、これには食事から摂る水分も含まれます。
私たちは通常食事から水分を1Lほど摂っているため、実際に必要な水分量は1.8L程度ということになります。
寝たきりのお年寄りの水分補給量を見直してみましょう
寝たきりの人やお年寄りは水分の摂取量が不足していることが多いです。
まずは体重をもとに1日の必要水分量を算出し、要介助者が今1日にどのくらいの水分を摂取しているのかをチェックしてみましょう。
寝たきりのお年寄りは、自分の水分の摂取量を把握することは難しいため、介助者が水分摂取量を管理してあげることが大切です。
介助の際のポイントなどについて解説していきます。
定期的に水分補給をする
喉の渇きを覚えたときには、そのときはすでに軽い脱水状態にあるといわれています。
お年寄りは体内に蓄えられる水分量が少なくなっているため、こまめに水分補給をする必要があります。
特に夏場は暑いのにエアコンを付けずにいると、汗をかいて水分や塩分などが失われてしまいます。
体温などの調節機能も低下していることも多く、少し無理をしただけで風邪をひいたり体調を崩したりしやすくなってしまいます。
水道水を沸かして飲ませる人も多いですが、水道水を沸かしたからといって不純物や有害物質などが取り除かれるわけではありません。
お年寄りは腎臓機能などが低下していることも多いため、ミネラルや不純物が入っているミネラルウォーターは下痢をしてしまう場合もあります。
そのため、体に負担をかけないピュアウォーターがおすすめです。
食事からの水分量を増やす
本人が水をあまり飲みたがらない場合に、何度も水を飲むように言っても嫌がられることもあるでしょう。
その場合は食事の水分量を増やしてあげると、結果的に水分摂取量を上げることができます。
食事の際に味噌汁やスープなどを付けたり、フルーツを出したりするだけでも水分を摂ることができます。
また、寝たきりのお年寄りの食事や水分摂取の際には、誤嚥に気を付けましょう。
お年寄りは嚥下能力が衰えていることが多いため、水分補給をするだけでも座位(起きた状態)、もしくはそれに近い体勢で飲ませるようにしましょう。
基本的には誤嚥を防ぐには、前傾姿勢がいいといわれています。
普通の水を飲みこむのが難しい場合は、とろみ剤などを使うといいでしょう。
水分だけでなく塩分や糖分も一緒に摂る
お年寄りは脱水症状になりやすい傾向があるため、介助者が十分に注意を払う必要があります。
「水分を摂らないといけない」という意識が強いと、お水だけを摂るようにすすめてしまいがちですが、実はそれも危険だということをご存知ですか?
脱水している状態とは血液の塩分濃度が不足している状態で、この状態のときにお水だけを飲んでしまうと塩分濃度がさらに低下してしまいます。
すると体は塩分濃度を上げようとして、水分を排出しようと身体の生理機能が働くため、結果的に水を飲んでも余計脱水症状になってしまう可能性があります。
水分を吸収するためには、水分の他に糖分や塩分が必要になります。
水分と一緒に糖分や塩分も適度に摂るようにしましょう。
その際は塩分や糖分を過度に摂らないように注意しましょう。
お年寄りは喉の渇きを感じにくく脱水症状を起こしやすい傾向があります
高齢になると筋肉量や腎臓機能が低下することで体内に蓄えられる水分量が減りますが、喉の渇きを感じにくくなります。
さらに1日の食事や水分の摂取量が減ることで総水分摂取量までもが減ってしまうため、脱水症状が起こりやすくなります。
特にトイレが近くなることや、排泄の世話などできるだけ迷惑をかけたくないからと水分を摂るのを嫌がる人も多いです。
お年寄りは身体の様々な機能も低下してしまい、喉の渇きも感じにくくなるため水分が不足しやすくなります。
介助者が水分補給を促してあげることが大切です
健常者のようには動けない寝たきりのお年寄りは、こまめに水分補給をする必要があります。
お年よりは自分で水分の摂取量を管理することは難しいため、介助者が必要な水分摂取量を把握し、定期的に水分補給をさせてあげる、もしくは促してあげるようにしましょう。