座骨神経痛とは別の原因で起こる症状なら水分補給で解決できるかもしれません


座骨神経痛では、ある姿勢や動きでお尻から太ももの裏側、酷い場合にはふくらはぎの痛みや、ふくらはぎの筋肉がつる「こむら返り」のような症状が見られます。

ただ、こむら返りは別の原因で起こることもあり、この場合は水分補給で症状が軽くなったり解消できたりすることがあります。

ふくらはぎの痛みやこむら返りの症状がみられた場合で、腰痛を伴わない場合は、一旦水分補給をして様子を見るのも一つの手と言えるでしょう。

座骨神経痛そのものは水分補給では解決が難しいでしょう

座骨神経痛の原因は、腰骨の神経の出口部分や、股関節の後ろ側にある筋肉による坐骨神経の圧迫が大部分だと言われています。

そのため、水分を補給したとしても、座骨神経痛自体を解消することは難しいと言わざるを得ません。

しかし、こむら返りは水分や電解質バランスの不良が理由の一つとなっていて、この場合は水分補給で解決できるようです。

辛い座骨神経痛の症状には、水分補給以外の方法も解決策としては必要です

座骨神経痛と聞くと、昔は高齢者に多い病気と思われていましたが、生活習慣の変化等により、今では若い人にもよく現れるようになってきました。

その症状は痛みやしびれが主ですが、この症状は人にとっては非常に不快で、酷くなると「うつ」を発症してしまうほどです。

また、座骨神経痛の症状にはこのほかに、ふくらはぎの筋肉が日中や寝ている間につる「こむら返り」があります。

これらの症状はどうして起こるのか、座骨神経痛の症状の解決方法と、水分補給の関係について、見ていきましょう

座骨神経痛の原因は、座骨神経の圧迫です

「座骨神経痛」、大人なら誰もが一度は耳にしたことがある言葉でしょう。

座骨神経とは、腰(腰椎)とお尻の中心部の骨(仙骨、尾骨)から出た神経の一部が集約されたもので、骨盤の下側にある穴を通って脚の後ろ側を通っているものです。

人の体の中では最も太い末梢神経で、一般的な末梢神経の太さが1mmにも満たないのに対し、座骨神経は太いところで2mm以上もの太さがあります。

この座骨神経が、腰椎から出てくる部分で骨や椎間板で圧迫されたり(神経根症状)、骨盤の穴を通るところで硬くなった筋肉で圧迫されたりすることで、座骨神経痛が起こります。

座骨神経痛の原因には腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の他、骨盤にある硬くなった梨状筋で圧迫されることなどがあります。

神経が圧迫されると神経が血液不足を起こし、痛みやしびれなどの症状を起こすのです。

また、原因が脊柱管狭窄症の場合は、歩いていると足やふくらはぎに痛みが起こり、しばらく座って休憩したりしゃがんだりすると痛みが治まったりします。

また中には、ふくらはぎの筋肉が意思とは無関係に強く収縮し、自力ではなかなか緩めることができない「こむら返り」を起こすこともあります。

こむら返りは座骨神経痛以外の場合でも起こります

人が体にある筋肉を収縮させる際、そのタイミングや収縮の強さは自分の意思で調節できます。

これは、脳や脊髄、末梢神経によって収縮の強さに関する自分の意思を筋肉に伝えていることに依っています。

加えて、筋肉の中にある筋肉の伸び具合を感知している線維(筋紡錘)からの信号と、筋肉の両端にある腱の中にある筋肉の緊張の度合いを感知している線維(腱紡錘)からの信号が脳に伝えられていて、これをもとに筋肉がどれくらいの強さで収縮しているかをコントロールしています。

また、筋肉が収縮する際には、筋肉の細かい線維の中にナトリウムやカルシウムといった電解質が入り込むことがスイッチとなります。

ところが、筋肉への血行が滞った場合や、それに由来して電解質のバランスが悪くなると、筋肉が自分の意思とは無関係につってしまうことがあります。

夏の暑い日、大量に汗をかいたときにこむら返りを起こしたことがあるという人は多いかと思いますが、これが原因となって起こっています。

ただ、先ほどもお話ししましたが、こむら返りは座骨神経痛などによって起こることもありますので、「単なる疲れだろう」とか「電解質バランスが崩れているんだろう」と勝手に判断せず、こむら返りの回数が多いのであれば、整形外科などを受診することもおススメします。

こむら返りの予防や改善の方法の一つとして水分補給は有効です

座骨神経痛自体は、座骨神経が通り道のどこかで圧迫されていることが原因ですから、座骨神経痛の症状は水分補給だけでは改善できないことの方が多いようです。

しかし、座骨神経痛の症状の一つでもある「こむら返り」が、実はふくらはぎの筋肉の血流や電解質の不足で起こっている場合には、水分補給で改善が図れる可能性があります。

真夏の暑い日に運動をすれば大量の汗をかきますし、そのような時は入浴もしますから、さらに水分が体から失われます。

また、汗を大量にかくとナトリウムイオンも体から失われ、かつ筋肉を激しく使ったときはカルシウムイオンも消費されます。

カルシウムイオン自体は骨に大量に保存されていますから、運動後に消費されても多くは骨から血液中に戻され、補うことができます。

ですが、ナトリウムイオンは体に備蓄しておくことができないので、失われると口から何らかの形で摂取し補う必要があるのです。

そのため、激しい運動の最中やその後にこむら返りを予防するのであれば、単なるお水というよりも、0.9%の塩を混ぜたお水を飲んでみると良いでしょう。

座骨神経痛は圧迫されていることが原因で起こります


座骨神経痛は、座骨神経の通り道である腰の骨(腰椎)の出口部分、もしくは通り身である梨状筋によって圧迫されることによって起こります。

そのため、水分補給だけで座骨神経痛を解消することはできないようです。

ですが、座骨神経通にもみられる「こむら返り」は、体内の水分や電解質の不足で起こることもあります。

これは、大量に汗をかいたり、筋肉を激しく使ったりした場合に多くみられる症状です。

この場合には、水分補給でこむら返りの症状を改善できるようです。

こむら返りが起こったら、座骨神経痛と共に水分・電解質不足を疑いましょう

寝ている間や運動中にこむら返りが起こったら、自分でできる解消法は水分補給です。

ですが、この症状は座骨神経痛で起こることもあり、水分補給で解消しないようであれば、遠からず病院を一度受診してみることをおすすめします。