水分補給がパニック障害の症状を緩和することもあります
パニック障害は、突然動悸や息切れ、強い不安感などの症状が出る病気です。
主に緊張時や体調不良、高温多湿の環境などが症状を悪化させます。
特に暑い夏は、炎天下の中で活動すると大量の汗をかいて体から水分が失われることにより、自律神経が乱れ、パニック障害発症の可能性が高まる傾向にあります。
そのため、体が脱水に陥る前に、適度に水分補給を行うことでパニック障害の症状悪化を防ぐことができるとされているのです。
目次
水分補給をしないせいで脱水に陥ると、パニック障害の症状が悪化します
炎天下での活動は、汗をかくことにより熱を発散して体温調節を行います。
しかし大量に汗をかいて脱水状態になると、自律神経の働きが弱まります。
パニック障害を持病とする人は、自律神経のバランスが崩れやすいため、脱水症状に陥るとより自律神経が機能しなくなり、パニック障害の症状が悪化しやすくなるというわけです。
パニック障害の悪化を防ぐ水分補給のポイントを押さえましょう
パニック障害の悪化を防ぐには、体が脱水状態に陥らないように適度な水分補給を行うのがポイントとなります。
ここからは、水分補給のタイミングや適量、適した飲み物などを紹介していくので参考にしましょう。
体の水分不足サインを見逃さない
自分で気づかないうちに脱水状態に陥るいわゆる隠れ脱水症状になっている人もいます。
体から出ている水分不足のサインを見逃さないように、タイミングよく水分補給することが大事です。
体に表れる脱水症状サインとしては、まず手の指の爪を押しても、2秒で赤みがひかないことが挙げられます。
指先には毛細血管があるため、血液中の水分が不足すると血流が悪くなるからです。
次に、指先が冷たい場合も脱水のサインとなります。
水分不足で指先の血流が滞ると、体温が低下して末端の指先から段々冷たくなってくるからです。
更に、脱水になると唾液などの分泌が滞ることから口の中が渇いてくる、唾液が出にくく口が粘つく、そして皮膚の水分量も低下するので腕などをつねっても皮膚の形状がすぐに戻らないといった症状が出ます。
心当たりがある場合は、水分不足に陥っている可能性が高いでしょう。
水分補給のタイミングや適量、適温は?
喉が渇いたと感じた時点では、体は既に脱水状態にあると言えます。
普段から脱水症状が出る前にこまめに水分補給行う必要があります。
水分補給は、朝起きた時や出かける前、昼食時や仕事や学校の休み時間など、1日6~8回程度、自分で意識してタイミングを決めて行うことが大事です。
特に外出や運動、入浴の前後など汗をかきやすい活動の前にしっかり水分を補給しておくようにしましょう。
また寝ている間も新陳代謝により大量の汗をかいているので、寝る前の水分補給も忘れないようにしましょう。
1日必要な水分量は約1.5~2ℓとされているので、水分補給1回につき200ml程度飲むとよいでしょう。
水分の温度は5℃から15℃程度が適温とされています。
冷たすぎると飲みにくく、熱いと体への水分吸収が滞るので温度にも気を付けましょう。
水分補給に適した飲み物
汗をかいた後に水分補給は、どんな飲み物でもよいわけではありません。
緑茶や紅茶、コーヒーといったカフェインを多く含む飲み物は適していません。
カフェインには、利尿作用があるので水分補給として摂取しても、逆に尿となってどんどん失われてしまうことになるからです。
汗をかくと水分と共に塩分も排出されるので、塩分を含むスポーツドリンクなどで水分補給をするのが効果的です。
しかしスポーツドリンクには糖分も含まれるので、喉の渇きを誘発する可能性があります。
また頻繁に飲むと、ミネラルの過剰摂取にもつながります。
そう考えると水分補給には、体に優しい不純物を含まないお水やカフェインを含まない麦茶などが最適だと言えます。
ただ、お水や麦茶だけでは、汗と共に失われた塩分の補給ができないので、梅干しや塩飴など塩分を含んだものも一緒に併用するようにしましょう。
パニック障害の発症は神経伝達物質のバランスが原因です
パニック障害が発症のメカニズムは色々な説があります。
中でも、不安や恐怖を感じるノルアドレナリンや、興奮を抑えるセロトニンといった神経伝達物質の分泌バランスや作用が乱れることが原因の一つと考えられています。
ノルアドレナリンなどの神経伝達物質は、自律神経により分泌や作用がコントロールされています。
そのため、パニック障害の人は自律神経のバランスを崩しやすく、脱水に陥ると自律神経が更に機能低下を起こして、パニック障害の症状が強く出やすくなるのです。
パニック障害の発作を防ぐには、適度な水分補給が大切です
脱水症状が起きると自律神経の働きが更に弱まって、パニック障害の症状が出やすくなるので、体が水分を欲する前に水分補給をして下さい。
ノンカフェインの体に優しいお水などで水分補給すると共に、失われた塩分は塩飴などで適量補いましょう。