新陳代謝が低いほうが長生きする可能性があることが指摘されています


新陳代謝が低いと太りやすくなるなど、デメリットの側面がしばしば指摘されます。

しかし新陳代謝が低いことのメリットもあります。

それは新陳代謝の低い人は長生きできる可能性が高い点です。

新陳代謝とは、生活するために必要なエネルギー量です。

新陳代謝が低いのは、消費するエネルギーが普段から低いことを意味します。

言い換えると、より少ないエネルギーで生命維持ができるわけです。

つまりより寿命も長く延びる可能性に期待できるわけです。

女性の方が男性と比較して長生きな傾向があります

寿命と新陳代謝の関係ですが、男女の差によって現れます。

2014年度の厚生労働省の調査によると、女性の平均寿命は86.83歳・男性は80.50歳で6歳程度男女差があります。

男女差がある理由の中の一つに、新陳代謝が関係しているとみられます。

生命維持のために必要なエネルギー量を表す基礎代謝が男性と比較して女性は、20~30%低いといわれています。

新陳代謝と長生きはどう関係している?

男女の平均寿命を見てもわかるように、基礎代謝量の低い女性の方が目に見えて長生きです。

では具体的に新陳代謝と長生きにはどのような関係があるのでしょうか?
以下でもう少し詳しくみていきましょう。

新陳代謝は言い換えれば効率がいい

新陳代謝が悪い・基礎代謝が低いといわれると、何かとネガティブな印象があるかもしれません。

しかし新陳代謝が悪いのは言い換えれば、省エネ体質であるともいえます。

新陳代謝が悪いということは、ある作業をする場合一般の人と比較して消費エネルギーが少ないとも解釈できます。

エネルギーの消費効率が高い人ともいえるわけです。

植物の光合成のように、私たちは自分でエネルギーを作り出すことはできません。

食べ物や飲み物など、外部からエネルギーチャージをすることで生きていけます。

飽食の時代や地域であればいいかもしれませんが、食べ物や飲み物が限られている環境で生き延びるためには、余計にカロリー消費をしない体の方が有利といえます。

消費するエネルギー量が少ないのは、何もデメリットだけではないです。

事故などに遭遇した場合でも長生きの可能性が

この新陳代謝の低さは、事故や災害のようなイレギュラーな出来事が起きたときにも重要な役割を果たします。

事故に巻き込まれた・自然災害に遭ってしまったなどの理由で、救助を長時間待たなければならないシチュエーションに立たされることもあるでしょう。

そのようなときでも基礎代謝の低さが、命を救う可能性が高いです。

事故や災害の際には、食べ物や飲み物が近くにない、何日も飢えの状態で耐えなければならないことも十分想定できます。

基礎代謝が低いと生命活動をするために必要なエネルギーも少ないです。

ということは、エネルギー補給できない状態が数日続いても生き延びることのできる可能性が高いといえます。

新陳代謝と災害の強さの関係について、実際に遭った事例でも証明されています。

江戸時代には飢饉が時折発生して、大きな被害を出しました。

飢饉で犠牲になった人を見てみると、性別で比較した場合2/3以上は男性だったとされています。

先ほども紹介したように女性は男性と比較して、基礎代謝量の少ない傾向があります。

基礎代謝量の少ない女性は、より長く生き延びられる可能性が高かったから、この男女差が生まれたと考えられます。

活性酸素も長生きに関係している

健康や美容のために運動をしている人もいるでしょう。

運動をするとエネルギーが通常時よりも消費されます。

このエネルギー消費も新陳代謝が関係していて、新陳代謝のいい人の方が同じ運動を同じ時間に行ったらより多くのカロリー消費をします。

一見すると、新陳代謝が低ければ、運動の効果がないような気がするでしょう。

しかし一概にそうとも言い切れないところがあって、そのヒントに酸素があります。

新陳代謝が低いということは、エネルギー消費が少ない、ひいてはエネルギーを作り出すための酸素消費量も少なくていいことになります。

実は運動しているときに酸素を大量に消費すると、活性酸素が発生します。

この活性酸素は私たちの細胞を攻撃して、老化なども進めるといわれています。

また最近の研究ではがんの原因の一つになるともいわれるようになりました。

活性酸素ができにくいことで、老化の進行がゆっくりで長生きできる可能性につながります。

新陳代謝が低いのはデメリットもある


ここまで新陳代謝の低いことについてのメリットを紹介しました。

しかしデメリットももちろんあります。

まず新陳代謝が低いと食べたカロリーを十分消費できず、脂肪としてたまりやすくなります。

すると肥満体形に陥りやすくなりますので注意が必要です。

肥満だと生活習慣病リスクが高まることがわかっています。

生活習慣病にかかってしまえば、長生きできる可能性も低くなります。

カロリーコントロールは慎重に行う必要があるわけです。

新陳代謝が低いことはデメリットだけではない

新陳代謝が低いと消費するカロリー量が少なくて、効率よくエネルギー消費できます。

長生きできる可能性は高まりますが、一方で生活習慣病対策もしっかり行いましょう。