子供が発熱で寝ている時は、無理に起こして水分補給をさせる必要はありません


赤ちゃんに熱があるときは、汗や吐く息から通常より多くの水分が失われていきます。脱水症状を防ぐため、水分補給をこまめにする必要があります。

寝ているときに無理に起こす必要はありません。赤ちゃんが起きたタイミングで水分を与えるようにしましょう。水分補給には母乳や湯冷まし、番茶など赤ちゃんが受け付けるものを欲しがるだけ飲ませてあげましょう。

赤ちゃんが欲しがるものの中にも、発熱中に避けたい飲み物があることも覚えておく必要があります。

赤ちゃんが寝ているときには、起こす必要はありません

赤ちゃんは自分から水分補給ができないので、周りが気を付けて水分保有を行う必要があります。普段から大人より汗をかきやすく身体が多くの水分を必要としていますが、発熱時はさらに多くの水分が必要です。

ただし寝ているときに無理に起こす必要はありません。喉が渇けば泣いて起きるので、そのタイミングで水分補給しましょう。

⇒赤ちゃんの水分補給量の目安について解説した記事はこちら

発熱時の水分補給は、赤ちゃんの身体に負担をかけないことが重要です

通常よりも水分を失う発熱時、水分補給を気にしてあげることは大切です。赤ちゃんの身体に負担にならないもので、適切な対処をしてあげましょう。

発熱時は水分補給をしっかり行うことが第一ですが、赤ちゃんが嫌がるものを無理に与えることはできません。そのため赤ちゃんが嫌がらずに飲むもので水分補給を行うことになりますが、どのようなもので水分補給をすると良いのかを把握しておきましょう。

母乳やミルク

まずは粉ミルクや母乳です。とくに離乳食前の赤ちゃんの場合は、他の飲み物は飲まないことがあります。

母乳の場合は赤ちゃんが欲しがる量を飲ませて問題ありません。粉ミルクの場合、あまり量が増えるようであれば粉ミルクの他にも赤ちゃんが飲めるお水や湯冷ましを与えましょう。

ただし、多く飲むからといってミルクの調乳の量を変えるのはダメです。普段と吸収率が変わって、赤ちゃんの胃に負担をかけることになります。

湯冷ましや麦茶

他に赤ちゃんに飲ませられる飲み物として、湯冷ましや麦茶、番茶があります。離乳食前の赤ちゃんにも飲ませられるものなので、発熱時の水分補給に活用しましょう。

赤ちゃんに飲ませるときは、冷たいものではなくひと肌程度が良いです。湯冷ましにミネラルウォーターを使うこともあると思いますが、ミネラルが多い硬水は赤ちゃんに与えないようにしましょう。

湯冷ましなどを作るときは、赤ちゃんでも安心して飲める不純物を取り除いたお水も便利です。お水をそのまま適温に調節して与えても良いです。

⇒赤ちゃんが下痢をしたときの水分補給方法について解説した記事はこちら

母乳やミルク以外には、ミネラルを補給できるイオン飲料が適しています

汗をかくと、身体から電解質が失われます。電解質とはナトリウムやカリウムなどが水に溶けたときに電気を発生させるものです。化学的に考えると難しいのですが、日常生活でざっくりと考えるとミネラルと呼ばれるものです。

汗をかいたときに塩分を摂れと言われるのは、身体が失った電解質を補うためです。赤ちゃんの場合にも、熱があり汗をかいたときに水ばかり飲ませて良いのか気になるところです。

結論から言うと、母乳や粉ミルクを飲んでいるのであれば問題ありません。母乳などにも必要なミネラルが含まれているからです。

赤ちゃん用のイオン飲料

必要なミネラルを効率良く摂れるのが、赤ちゃん用のイオン飲料です。水分補給として常温で飲ませてあげましょう。母乳を飲んでいたり、離乳食を口にしたりしていれば無理に与える必要はありません。

急な発熱で家にイオン飲料水がない場合には、お水に塩と砂糖を一つまみずつ加えたもので代用することができます。湯冷ましや赤ちゃんに与えることができるお水さえあれば簡単に作れます。

発熱時には「牛乳」や「柑橘系の果汁」は避けましょう

水分補給のためとはいえ、与えたくない飲み物もあります。

ひとつめは牛乳です。熱だけでなく吐き気がある場合に牛乳を与えると、よけいに吐き気が強くなる可能性があります。また、1歳未満の赤ちゃんには熱がなくても牛乳を与えるのは避けましょう。

離乳食が始まれば柑橘類の果汁を与えることもありますが、発熱中は避けましょう。柑橘類は胃腸を刺激し、吐き気を起こすことがあります。赤ちゃんの発熱時に処方される薬には、オレンジジュースと混ぜることで苦味が出るものがあることにも注意しましょう。

大人の場合、熱があると栄養ドリンクを飲むことがありますが、大人用の栄養ドリンクは薄めたとしても、赤ちゃんには決してに与えてはいけません。

⇒赤ちゃんに牛乳を飲ませても問題ないのか解説した記事はこちら

38℃以上の熱やぐったりしている場合には、早めに病院を受診しましょう


乳児は大人に比べると平熱が高めなので、普段の体温が37℃以上の場合もあるかもしれません。ただし、38℃以上の高い熱が出ている状態のときは、体調不良や病気の恐れがあるので早めに病院に連れていく必要があります。

病院を受診するタイミング

  • 水分が摂れず口や唇が乾燥している
  • ぐったりしている
  • 嘔吐や下痢が治らない
  • けいれん症状が続いている

こういった症状が見られる場合、病院での早めの対処が重要になります。
もしものときのために、おうちの近所で時間外診療を行っている病院を調べておきましょう。

乳児が高熱を出す原因

6ヶ月未満の赤ちゃんは、まだ母親の免疫で守られているので高熱が出ることはあまりないとされています。発熱する病気にかかってしまった場合などに高熱が出るので、高熱を出した場合は病院で早めの治療が必要です。

乳児がかかりやすい発熱する病気には、インフルエンザ、突発性発疹、溶連菌、RSウイルス、ロタウイルス、細菌性髄膜炎などがあります。下痢や嘔吐、意識の低下などを引き起こす病気もあるので、熱があるとき以外の体調にも気を付けてあげましょう。

乳児の場合、暑い気温や厚着により熱がこもって体温が上がることもあるので、元気があるときには環境を整えてからもう一度体温を測ってみてください。

乳児が高熱を出したときの対処法

赤ちゃんが熱を出しているときには、寒がっている場合と熱が上がりきって暑がっている場合とで対処方法が異なります。赤ちゃんの顔色が悪く寒がっている場合には、身体が冷えないように温かくしてあげましょう。

赤ちゃんが暑がっている場合には、熱がこもらないようにかけている布団を減らします。汗をかいていることもあるので、こまめに着替えをすることも大切です。

湯冷ましや赤ちゃん用のイオン飲料・経口補水液などで水分補給を行い、脱水症状を起こさないように注意してください。

(まとめ)赤ちゃんの発熱時、寝ているときの水分補給は?

子供が発熱で寝ている時は、無理に起こして水分補給をさせる必要はありません。

赤ちゃんは大人と比べると身体の水分量の比率が高く、身体が多くの水分を必要としています。しかし赤ちゃんは内臓機能が未発達で、必要な水分量を調節できず、必要な水分も尿として排出してしまいます。大人より平熱が高めなので汗もかきやすく、多くの水分を必要とする反面、排出される水分も普段から多いのです。

熱があるとき、赤ちゃんは大人が思っている以上に身体から水分が失われています。赤ちゃんの場合、喉が渇いたとしても自分で水分補給を行うことができません。脱水症状を防ぐためには、周りの大人が気を付けてこまめに水分補給をしてあげましょう。

<参考文献>