水分補給のために母乳以外のものが必要になるのは、離乳食が始まる生後5~6ヶ月頃からが目安です


育児中のママの親世代は、水分補給のために母乳だけでなく白湯や麦茶、果汁などを飲ませるのが一般的でした。

しかし現代の子育てでは、赤ちゃんには母乳しか与えないのが一般的です。そもそも、食事そのものが液体なので、必要な水分は補えているのです。

そのように変化をしてきているので、ママの親世代の人からは「白湯や麦茶を飲ませなさい」といわれる場合があるかもしれません。

基本的には、水分補給のために母乳やミルク以外のものが必要になるのは、離乳が始まる時期、つまり5~6ヶ月頃と覚えておくと良いでしょう。

ただし、「特にあげなくても良い」だけで、「あげてはいけない」わけではありません。

生後1ヶ月頃を過ぎたら飲める麦茶も市販されているので、何か気になることがあれば検診の際などに医師に相談してみると良いでしょう。

母乳やミルクのうちは麦茶を飲ませなくても水分補給はできている

母乳の約90%は水分です。赤ちゃんは母乳から栄養を吸収し、同時に水分も補給できているのです。ミルクも同様に栄養が豊富に含まれています。

ですから、母乳やミルク以外での水分補給について特に心配する必要はないのです。

逆に、母乳やミルク以外の水分、白湯や麦茶などを多く飲ませてしまうと、母乳を飲む量が減ってしまって発育不良を招く可能性もあります。

母乳やミルクのうちは、基本的に他の水分は必要ないと思っておいて良いでしょう。母乳のうちは、基本的に他の水分は必要ありません。

⇒赤ちゃんが水分補給をしてくれないときの対処法を解説した記事はこちら

離乳食を始める頃に麦茶もあげ始めよう

5~6ヶ月目頃になると、赤ちゃんに歯が生え始め、お母さんは乳首を噛まれて痛いので早く離乳させたくなるものです。

その頃から徐々に離乳食に切り替えるのが理想的。母乳の代わりに離乳食を食べるようになったら、今度は水分補給が必要になります。

このとき、最適なのは白湯や麦茶です。なぜなら、カフェインなどの刺激物が含まれていないからです。

さて、赤ちゃんに麦茶をあげるときの麦茶の作り方や注意点について考えましょう。

麦茶の量や温度は?

麦茶の原料である大麦でアレルギー反応を起こす赤ちゃんもいます。

そのため、初めて麦茶をあげるときはまずはスプーン1杯、一口飲ませる所から始めましょう。異常がなく欲しがるなら徐々にあげる量を増やします。

冷たい麦茶はお腹を壊してしまうので、ミルクと同じように人肌に温めると良いです。

また普段おっぱいを飲んでいる赤ちゃんにとって、麦茶を入れた哺乳瓶やマグは慣れないので飲みにくく感じるかもしれません。飲みにくそうなら離乳食用のスプーンで与えてください。

麦茶を飲ませるタイミングとしては、汗をかいて喉が渇きやすい寝起きやお風呂上りなどが適しています。

離乳食時に飲ませるなら、満腹にならないように食後にしましょう。麦茶は虫歯予防にもなるのでおすすめです。

⇒外出時の赤ちゃんの水分補給について解説した記事はこちら

赤ちゃんに飲ませる麦茶の「作り方」と「注意点」

お店に行けば赤ちゃん用の麦茶が小さめのボトルで販売されています。赤ちゃん用の麦茶は薄めに仕上がっているのが特徴です。

でも、赤ちゃん用麦茶は何も市販のものである必要はありません。自宅で安全に作ることができます。

赤ちゃんに飲ませる麦茶は、「薄めに作る」が基本です。市販の麦茶のパックを買ってきたら、普通に煮出して麦茶を作ります。

それを湯冷ましで2~4倍に薄め、人肌程度の温度に調整して飲ませてあげましょう。

大人にとっては麦茶はさっぱりとして飲みやすいですが、これまで母乳しか飲んだことのない赤ちゃんにとっては新しい味。大人には感じられない苦みやにおいを感じとってしまうのです。

麦茶はお水で2~4倍に薄めることで、赤ちゃんにとって飲みやすくできるのです。

どれくらい薄めればいいのか不安な場合は、市販のべビー用麦茶を一度購入して、味を確認してみるのもいいでしょう。

煮出したばかりの麦茶をすぐに飲ませたいなら、きれいなお水で作った氷を入れて温度を調整しましょう。

そのようなときのために日ごろ、湯冷ましやピュアウォーターで氷を作っておくといいですね。もしも氷がないなら、哺乳瓶に流水をかけて地道に冷やしましょう。

赤ちゃんの水分補給には、カフェインの含まれていない麦茶が良い

赤ちゃんの母乳以外の水分補給方法としてすすめられているのが麦茶です。

なぜ他のお茶や飲み物ではなく、麦茶なのでしょうか?
それには以下の理由があります。

麦茶にはカフェインが含まれていない

緑茶や紅茶など、葉から抽出するお茶には基本的にカフェインが含まれていて、神経を刺激してしまいます。

麦茶は葉ではなく、麦の穂の部分を抽出するため、カフェインが含まれていません。

麦茶には胃の粘膜を保護する作用がある

麦茶は胃の粘膜を保護するだけでなく、胃潰瘍の予防、炎症を抑える効果があることが分かっています。

麦茶には虫歯予防の効果がある

麦茶はバクテリアの定着を抑える効果があります。麦茶は、せっかく生えてきた赤ちゃんの歯を守るのにうってつけの飲み物だといえます。

麦茶には保存料などが入っていない

一般的に、麦茶には保存料や糖分などの添加物を加えません。それも、麦茶が赤ちゃんに適した飲み物とされる理由になっています。

以上が、麦茶が赤ちゃんの水分補給に適しているとされる理由です。離乳食が始まったら、麦茶を作って飲ませてあげましょう。飲ませる麦茶は煮出してから24時間以内のものにしましょう。

麦茶は水分補給が必要な母乳育児中のママにもおすすめ

麦茶は体に優しく栄養価も高いので、赤ちゃんのみならず母乳育児中のお母さんにもおすすめの飲み物です。

また麦茶以外にも良いとされている飲み物があるので参考にしてみましょう。

麦茶

赤ちゃんに飲ませられる麦茶は大麦からできています。

ミネラルが多く含まれ、ノンカフェインなので母乳育児中でも安心して飲めます。

ただ冷たい麦茶は体を冷やし、血流を悪化させて母乳の出が悪くなる場合もあるので温度には気を付けましょう。

たんぽぽ茶

たんぽぽ茶は、カルシウムなどのミネラルが豊富で生姜などと同じく体を温める効果が期待できます。

妊娠中から産後の授乳期を通じ、育児中のママが安心して飲める飲み物です。

黒豆茶

黒豆茶はイソフラボンなど体に良い栄養素が多く含まれている、ノンカフェインの体に優しいお茶です。

血流を促し、母乳の詰まりによる乳腺炎を予防するサポニンが含まれています。

ハーブティー

母乳育児中にお母さんに良い効果をもたらすものが多いですが、カフェインが入っているものもあります。

成分などをよく見て選ぶ際は注意しましょう。

ごぼう茶

ごぼう茶はノンカフェインで体にも優しいのでおすすめです。

抗酸化作用のあるポリフェノールや食物繊維などが豊富に含まれており、便秘予防にも効果が期待できます。

⇒赤ちゃんの水分補給に牛乳を飲ませても問題ないのか解説した記事はこちら

赤ちゃんの麦茶作りにはピュアウォーターが最適


赤ちゃんの体は非常にデリケートなので、刺激のないものを選ぶことが大切です。そのような赤ちゃんの水分補給には、不純物を限りなく排除したピュアウォーターがおすすめです。

ミネラル豊富なお水だと、赤ちゃんは吸収できずにお腹が緩くなってしまうことがあるのです。

生後5~6ヶ月になって母乳以外のものが食べられるようになったら、さっそく薄く作った麦茶を飲ませてあげましょう。

また、離乳食が始まる前でも、場合によっては麦茶や白湯を飲ませた方がいいケースがあります。それは、母乳を飲む量が多すぎて、赤ちゃんがブクブク太ってしまう場合です。

そのようなときには必要量の母乳を与えたら、それ以外は麦茶やピュアウォーターなどの刺激のない飲み物をあげてもいいでしょう。

(まとめ)赤ちゃんの母乳以外の水分補給、麦茶はいつから?

水分補給のために母乳以外のものが必要になるのは、離乳食が始まる生後5~6ヶ月頃からが目安です

母乳やミルクのみの育児中は十分水分補給ができているので、赤ちゃんに他の水分を摂らせる必要はありません。離乳食期に入ったら少しずつ体に優しい白湯や麦茶を与えていきましょう。

ただ麦茶は大麦が原料でありアレルギーの心配もあるので、初めてあげるときは一口飲ませて様子を見るようにしてください。

赤ちゃんの飲ませる麦茶は、湯冷ましで4倍ほどに薄めれば手作りできます。麦茶にはカフェインなどの成分が含まれておらず、虫歯予防効果もあるので赤ちゃんの飲み物として適しています。

また、母乳育児中のママは麦茶以外にもたんぽぽ茶や黒豆茶などの飲み物もおすすめです。