水分補給に清涼飲料水は危険です

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私たちの体は常に水分を必要としており、毎日一定量の水分補給が不可欠です。

また特に夏場になるとたくさん汗をかくことから、こまめに水分を取ることがさらに必要になるのです。

その水分補給にお茶や炭酸飲料などの飲料水を用いる方も多いですが、実はそれはあまりよい方法ではありません。

それらの清涼飲料水では水分補給がうまく行われないのです。

清涼飲料水は味を楽しむ程度に飲む分にはよいですが、そればかりを飲んでいると体調にさまざまな不調をきたしてしまう危険性もあります。

清涼飲料水は余分なものが多く含まれる

特に激しい運動をしたり大量の汗をかいたりしない状態での水分補給は、本来は普通のお水で十分です。

お水には余分な成分が入っていないため、水分を補うという役目をスムーズに果たしてくれるのです。

しかし清涼飲料水には糖分やカフェインなどの成分が余分に含まれており、それが体への悪影響を引き起こすことにつながります。

これが、清涼飲料水が水分補給にあまり向かない理由です。

清涼飲料水が水分補給に向かない理由

活性酸素と赤血球
では、具体的になぜ清涼飲料水が水分補給に適していないのでしょうか。

また、清涼飲料水を飲み過ぎることで考えられる体への影響とはどのようなものなのでしょうか。

糖分の過剰摂取や水分の過剰排出

前述のとおり、清涼飲料水には普通のお水にはないさまざまな成分が含まれています。

例えば、炭酸飲料やジュース、スポーツドリンクなどには糖分が多く、商品によっては角砂糖10数個分の糖分が入っているとも言われます。

その糖分には砂糖が使用されているわけではなく、果糖ブドウ糖液糖などの合成甘味料が主です。

これは砂糖に比べて安いコストで導入することができ、低い温度で摂取した場合に砂糖よりも強い甘みを感じる果糖の特性を生かせることから、清涼飲料水に多く用いられているのです。

さらに、果糖は急激な血糖値の変化を見せないこともメリットとして挙げられます。

ただし、たくさん摂取すると糖分を体内で代謝しきれなくなり、結果的に血糖値を上昇させたり脂肪へと変化したりといったことが起きます。

またお茶やコーヒーも清涼飲料水にはよくあるものですが、これらにはカフェインが含まれています。

商品によってその含有量は異なりますが、大なり小なりカフェインの影響を考えないわけにはいきません。

カフェインには神経を興奮させる作用があるほかに、尿を多く排出する利尿作用があることも有名です。お茶やコーヒーを飲んだ後すぐにトイレに行きたくなった経験のある方も多いでしょう。

こうした作用によって体調に不調をきたしてしまうこともあるのです。

清涼飲料水の飲み過ぎで起こること

清涼飲料水に含まれる糖分やカフェインなどの成分によって体に起こりうる変化にはどのようなものがあるか、下記に挙げていきます。

中性脂肪や老化物質が生成される

炭酸飲料やジュースなどの含まれている果糖ブドウ糖液糖は、果糖ブドウ糖が結合せずに混ざり合った液体です。

そのため、果糖の特性を生かせる糖分なのですが、この果糖にはデメリットも存在します。

果糖は他の糖分よりも体内に吸収されるのが早く、代謝されずに余ってしまうとそのまま中性脂肪を生成してしまうのです。

中性脂肪は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積され、肥満の原因となります。

それだけではなく、動脈硬化や脂質異常症を引き起こすことにもなりかねないのです。

さらに、糖化と呼ばれる反応によって老化物質を生成する確率が高くなるとも言われ、内臓や神経系を衰えさせてしまいます。

ペットボトル症候群

果糖は比較的血糖値の上昇率が低いとは言っても、清涼飲料水に含まれる糖分は果糖だけではありません。

血糖値を上昇させやすいブドウ糖を大量に摂取することで急激に血糖値が上昇し、糖分を代謝するインスリンの分泌が一時的に過剰になった後に抑えられてしまうという現象が起きることがあります。

そうなると糖分がエネルギーとして代謝されなくなり、その代わりに脂肪をエネルギーとするためにケトン体と呼ばれる成分が増加します。

ケトン体が増えると一時的に体が疲れやすくなったり意識が遠のいたりといった症状が出るのです。

これはペットボトル症候群と呼ばれ、清涼飲料水の過剰摂取によって多く引き起こされることからその名が来ています。

つまり、ペットボトルの清涼飲料水を飲み過ぎるとこうした症状を発するリスクが高いということです。

お茶やコーヒーの利尿作用で水分不足に

お茶や無糖のコーヒーには糖分は含まれていませんが、前述のとおりカフェインを多く含んでいます。

カフェインには興奮作用がありますが、それは交感神経の働きを活発にして腎臓の血管を拡張し、腎臓で体内の水分をろ過して尿を作る働きも活性化します。

その結果起こるのが大量の尿が生成されることで、これが利尿作用の仕組みです。

利尿作用が働きすぎると、本来体内に吸収するべき水分が適切に取り込まれなくなり、そのまま尿として体外に排出されることとなります。

そうなると、体内に必要な水分が足りなくなってしまうというわけです。

つまり、カフェインを含む清涼飲料水は水分補給の役にはあまり立たないと言うことができるのです。

適切な水分補給の方法

水分補給を目的とするなら、混じりけのないお水を飲むのが一番よいでしょう。

特に余計なものを何も含んでいないピュアウォーターはおすすめです。

ただし、一度にたくさんのお水を飲んでしまうと胃の中の分泌液を薄めてしまい、胃の調子を悪くしてしまうことにつながります。

そのため、コップ1杯程度のお水を何回かに分けてこまめに飲むのがよい方法です。

1日に5~6回程度に分けて飲むと効果的で、朝起きたときと昼前、おやつの時間、入浴する前や後、そして就寝前といったようにタイミングを決めて飲むと適切に水分補給ができます。

スッキリした口当たりやビタミン補給などの言葉に踊らされがち

清涼飲料水はさわやかな口当たりを目指して作られているものが多く、のどが渇いたときには確かにおいしく感じられるようになっています。

また現代人に足りないと言われるビタミンを補給できるといった売りで販売されている清涼飲料水もあり、水分補給がてらにビタミンを摂取しようという発想にもなってしまいがちです。

これが清涼飲料水を飲み過ぎてしまう原因ともなり、実は水分補給がうまく行えない理由となっている場合があるのです。

清涼飲料水は適度に楽しむのがよいでしょう

水分補給のためには清涼飲料水はあまり適していないわけですが、もちろん全く飲んではいけないわけではありません。

適量を飲んで楽しむ分には、どの清涼飲料水も問題はないのです。

ただし、水分補給を目的にするのは避けてお水を飲むようにするのが無難と言えるでしょう。