水をたくさん飲み過ぎると「水中毒」を起こす可能性があり、身体に様々な影響を及ぼします


ダイエットのためと水を大量に飲む人も少なくありません。水を飲むのは血行をよくして便秘の改善にもなり、老廃物も排出しやすくなるためダイエット効果も期待できます。

しかしそのような効果は適切な量の水を飲んだ場合です。水の飲み過ぎは水中毒を発症することもあり、体に様々な被害を与えるのです。

水中毒になるとむくみや冷え性、頭が重い、疲労が抜けないなどといった症状を起こし、さらに自律神経のバランスを崩すことで、生理不順などのリスクも高まります。

水の飲み過ぎで起こる「水中毒」のリスクとは?

水を飲み過ぎると、体内に余分な水分が溜まり血液中の水分バランスが乱れてしまいます。血液中のナトリウムバランスが崩れて、低ナトリウム血症を引き起こし、様々な症状を起こすのです。

健康のためには水分と塩分のバランスが大事です。そのためには適切な量の水を摂ることが必要なのですが、飲み過ぎると塩分のバランスが乱れてしまうので、体調不良を起こします。

水は健康にいいもの、という概念もあり飲み過ぎても体に悪いとは考えにくいものです。しかし健康にいいと言われる水でも、飲み過ぎると健康に悪いものになってしまうのです。

その一つが水中毒です。水中毒になると体がむくみやすくなり、特に下半身のむくみやポッコリお腹、手足の冷えなどを起こします。疲労がなかなか抜けず、口の中がネバネバして虫歯や歯周病などを起こすこともあります。

そんな水中毒にならないためにも、水の飲み過ぎには注意しましょう。

水中毒は手足のむくみやだるさ、頭痛などの症状が現れます

水中毒の大きな特徴はむくみです。手足のむくみや顔のむくみ、夕方になると靴が窮屈になる、などといったむくみの症状が頻繁に起こる場合は注意しましょう。

また分かりやすい症状として、胃のあたりに水が溜まっているような感じがする、という症状があります。空腹時に確認してみましょう。さらに、だるい、頭痛がする、めまいや耳鳴り嘔吐といった症状が出ることもあります。風邪をひいているわけでもないのに、鼻水やくしゃみが出ることもあります。

水分代謝が悪いために、アレルギー性皮膚炎や喘息などのアレルギー、生理不順なども起こりやすくなります。これらの症状は水を飲み過ぎることで体が冷えてしまい、血流が悪くなることが原因です。血流が悪くなると内臓の機能も低下し、体調不良を起こしやすくなるので改善していくことが大切です。

水中毒の予防方法は汗をかくこと

水中毒を改善するには、体内の余分な水分を排出できる体作りが必要です。運動をしたり、岩盤浴や半身浴などをしたりして、汗をかくようにしましょう。定期的な運動は血行不良の改善につながります。

血行をよくするためには、毎日の入浴も大事です。シャワーだけですまさずに、湯船に入り体を温め血液循環をよくしましょう。アロマオイルなどを使うと香りのリラックス効果で、より血行も良くなります。

体を温める食べ物を摂ることも大事です。ニンニクやショウガ、ネギ、カボチャやニラ、イモ類など、体を温める食材を積極的に摂るようにしましょう。野菜はサラダで食べるよりも、蒸したりスープなどの温野菜と調理したりして摂ることをオススメします。

さらに老廃物を排出しやすくするためにも、リンパマッサージをするといいでしょう。鎖骨の下、脇の下、股関節などのリンパ節をもみほぐしたり、足裏のマッサージをしたりして、リンパの流れを促しましょう。

運動中は体内のナトリウムが失われてしまうので特に注意が必要

運動をしていると大量に汗をかき、水分を余分に摂ることが多いでしょう。運動中は水分が大量に失われるので、水分の補給をしながら体を動かすことが大事です。

大量に水分が失われている時には、体内のナトリウムも失われています。その状態で水を大量に摂っても、水は体に吸収されません。

運動中はナトリウムも入っているスポーツドリンクを飲むのがいいでしょう。激しい運動もそうですが、ヨガやウォーキングなどの運動中も、水分はこまめに摂ることが必要です。

運動中や熱中症対策には経口補水液がオススメ

大量に汗をかく運動中や熱中症対策などで水分補給を行う場合、汗で失われたナトリウムを補給できる経口補水液を選ぶのがオススメです。水分だけでなく、体内で不足している成分まで補給することができます。

経口補水液

経口補水液とは、電解質と糖分を含んだ人間の体液に近い成分でできている飲み物です。体液に近い成分なので、熱中症や脱水状態などで水分不足の体にすばやく浸透して水分、電解質両方を補給し、体調の改善に役立ちます。

経口補水液の作り方は、水1Lに対して塩3g、砂糖40gを加えてよく混ぜるだけです。市販の経口補水液がない時には自宅にある材料で作って飲むこともできます。

経口補水液の味が苦手で飲みにくいという場合には、レモン果汁などを加えて味を整えると飲みやすくなります。

スポーツドリンクとの違い

スポーツドリンクも電解質や糖分を含んだ飲み物ですが、経口補水液とは含まれている成分の割合に違いがあります。スポーツドリンクは、経口補水液よりも糖分量が多く電解質が少なめなので、脱水状態の改善よりも運動量の多いスポーツを行った時などの水分とエネルギー補給に適しています。

経口補水液の摂取

経口補水液は脱水症状の改善に適した飲み物なので、下痢や嘔吐、発熱などの症状がある場合や熱中症の心配がある場合など、体内の水分量が失われている時に摂取します。喉の渇きを感じない時でも体内の水分量が減少している場合があるので、気になる症状がみられた時には、意識して経口補水液を摂取することが大切です。

水を正しく飲めば美容や健康などの効果が期待できます


水をたくさん飲むことは身体に様々な良い効果をもたらすと考えられています。具体的にどのような効果があるのかを知っておきましょう。

水を飲むことによる効果

体内が水分不足になると血流が悪化し、各細胞に酸素や栄養素が行き届かなくなります。すると細胞活動が滞り、疲労蓄積にもつながります。

水分を取り入れることで、血流が促され細胞が活性化するので疲労回復をもたらすのです。さらに血流やリンパの流れが滞ると、排出されるはずだった余分な水分が細胞間からあふれ出し、むくみを発生させます。

水分を摂ることで血液やリンパの流れがスムーズになり、余分な水分の排出も進むためむくみ緩和に効果的です。また、腸内の水分不足により便が固まり、便秘を招きます。

水分摂取により、便が軟らかくなると共に腸に刺激が加わるので、便意を催しやすくなり便秘解消にもつながります。水を飲むと血液の流れがスムーズになって細胞活動が活発化し、代謝が上がる上に老廃物の排出も進むため、ダイエット効果も期待できるでしょう。

食事前に水を飲むと空腹感が抑えられ、食べ過ぎ防止にもなります。そして水をたくさん飲むと肌細胞が活性化し、老廃物の排出が進みます。肌のターンオーバーも正常化するので美肌効果も期待できるなどメリットもたくさんです。

水は適切な量をこまめに摂取する習慣をつけましょう

飲み過ぎにならない適切な量は、体重などによっても多少は異なりますが、1.2~2リットルと言われています。その量を目安にして水分摂取をしましょう。水分の量だけではなく、水分補給をする際には注意したいポイントがあります。

一つは一気に大量の水を飲まないことです。一気に飲むと胃にも負担をかけますし、腎臓にも負担をかけます。消化も悪くなり、むくみなどの原因になります。水は1回にコップ1杯程度を目安として、こまめに摂るのがポイントです。

また、冷蔵庫で冷やした冷たい水や氷水などを飲まずに、常温の水を飲むことです。冷たすぎると体を急激に冷やしますし、体内に吸収しにくいと言われています。冷蔵庫の水は取り出して5分程度置いてから飲むようにしましょう。

水は生命を維持するためになくてはならないもの

水は体内の細胞内に多く含まれており、生命維持のためには欠かせないものです。事実、人体の6~7割は水でできています。

1日に必要な水分摂取量は2.5ℓだとされています。0.3ℓは細胞活動など体内で生成され、1ℓは食事からの摂取が必要です。そのため、残りの1.2ℓは水分補給で取り入れなければなりません。1日1.2ℓを摂取するためには、こまめに水を飲む習慣を生活に取り入れることが大事です。

汗をかいたり、血流が良くなったりする入浴前後や就寝前、寝起きなどに飲むようにすると良いです。そして、喉が渇く前に摂取するようにしましょう。喉が渇いたと感じた時身体はすでに水分不足に陥っているからです。また、摂取する水は水道水でも衛生面では問題なくデメリットも少ないですが、できれば水の質にもこだわりたいものです。

健康に良いとされるミネラルウォーターや、不純物の少ない天然水を提供してくれるウォーターサーバーなどの導入がオススメです。

(まとめ)水の飲み過ぎは健康に悪いって本当?

水をたくさん飲み過ぎると「水中毒」を起こす可能性があり、身体に様々な影響を及ぼします

水を飲み過ぎると血液中の水分バランスが崩れ、体内の塩分が薄まる水中毒症などを招くデメリットがあります。水中毒症はむくみや頭痛などの症状が出ます。

水中毒改善には、運動や半身浴で汗をかく、体を温める食材を食事に取り入れることなどがポイントです。ただ、水は正しく飲むことで疲労回復やデトックス、ダイエットなどの様々な良い効果をもたらします。

常温の水を1日の必要な量を目安とし、こまめに飲むことが大事です。健康な体を維持するためにも、ウォーターサーバーなどを活用して質の良い水を取り入れるようにしましょう。