硬水が直接腎臓病を引き起こすリスクは少ないです
ミネラルウォーターで人気の高い硬水は、天然水やミネラルウォーターの中でもミネラル分の割合が高いものです。
そのため、健康に良いとされて日本でも多くの人から愛されています。
硬水に含まれたミネラル分は、確かに腎臓に負担を与える場合もありますが、腎臓病の直接の原因になるほどではありません。
腎臓病を持っている人は避けた方が望ましいでしょうが、健康な大人がミネラルウォーターによって腎臓病になるという心配は必要ないでしょう。
目次
ミネラルウォーターの「硬水」による腎臓病への影響
ミネラルウォーターには硬水から軟水、超軟水と種類が豊富で、好みによっていろいろな商品を選べるようになりました。
日本の水は基本的には軟水に近いものです。
そのため、硬水は日本人にとってはまだ新しいもので、いろいろなリスクの有無についても分からないことが多いため、不安もあります。
ペットへの影響が顕著なため、余計に人体への影響が心配されます。
ミネラル分を処理する腎臓
ミネラルウォーターが腎臓の病気と関係していると考えられるのは、そのミネラル分の処理をするのが腎臓であるためです。
血中や尿の中で結石を作るものとしてミネラル分の影響が取り沙汰されるのもよく知られていることです。
確かにミネラルウォーターの成分として含まれているマグネシウムやカルシウムはペットの腎臓病に影響すると言われていますが、人体に影響を及ぼすほどではありません。
ネフロンの働き
腎臓ではろ過装置のような役目をするネフロンというものが尿を作るために働いています。
このネフロンは老廃物を排出し必要な成分を残す働きをしていますが、カルシウムは一部をろ過して残りは再吸収、さらに尿路で再度吸収する分とそのまま尿になる分があります。
ネフロンは壊れてろ過がうまくできなくなると、結石を作ったりすると言われていますが、これにはミネラルウォーターの影響だけでなく他の食事から摂る栄養素の影響も大きくなります。
例えば、同様に腎臓でろ過、再吸収されるリンはカルシウムと結びついて石灰化して血管内に結石を作ったり、カルシウムの体への吸収を阻害したりします。
「硬水」は腎臓病の症状悪化の原因となる可能性も
硬水を飲むことで腎臓病の発病に直接影響するかどうかはともかく、腎臓病をすでに患っている場合には硬水は避けた方が良いものと考えられます。
硬水に含まれているミネラル分が弱った腎臓にさらに負担を与えることは自明ですし、腎臓の働きが万全でないところへ過剰なミネラルを流し込んだら、正しく代謝できずに体のミネラルバランスが悪化することにもなります。
そのため、腎臓病にかかっている人の硬水の日常的な飲用は症状を悪化させる恐れがあり、避けるべきです。
また、治療の一つとして栄養素を補う薬を飲んでいる場合には、それ以上のミネラルの摂取で過剰となってしまうこともあります。
ミネラル分がペットの腎臓に与える影響
ペットに関して、硬水は腎臓病の原因となるのかが心配されるのは、動物たちの腎臓と私たち人間の腎臓の機能に差があるためです。
犬や猫などの小動物の腎臓のネフロンの数は人間よりも少なく、腎臓は機能低下を起こしやすいのです。
そのため、動物にミネラルの豊富な硬水を日常的に与えることは、腎臓病のリスクを高めることにつながります。
ペットには水道水か純水がオススメ
動物たちの飲料水としてミネラルウォーターを与えることは避けて、水道水や純水などを与えるようにした方が良いでしょう。
必要な栄養素はペット用のフードから取れているため、それ以上の栄養素の摂取は過剰摂取の原因となります。
人間同様腎臓の機能は一度ダメになったら回復しません。
さらに人間よりも少ない数のネフロンで働いているため、「予備」がすぐになくなってしまいます。
予防することが彼らの腎臓を守る手立てなのです。
こまめな水分補給自体は腎臓病の予防となる
健康な人にとって水分補給はとても大事なことです。
腎臓病になった人であっても、透析治療や食事制限の範囲内であれ体を維持するために最低限の水分を必要としています。
また、腎臓病を予防するためにも、水分補給を十分に行うことは効果的と言えます。
腎臓のろ過と血液の流れをスムーズにするためには、体内の水分量を多くすることが必要となります。
水分補給には、混じりけのないお水が最適です。
硬水に含まれるミネラル分も慣れない人が飲むと下痢をすることがあり、水分を余計に失うこともあります。
「硬水」は腎臓病の原因にはならないけれど
硬水に含まれるミネラル分は、腎臓に負担を与えます。
それは健康な人が腎臓に大きなダメージを得るほどではないものの、腎臓病を患っている人にとっては大きなリスクを持っています。