ミネラルウォーターの安全性は本当に高い?
市販されているミネラルウォーターが本当に安全性が高いのか疑問を持つ方もいるでしょう。
厚生労働省では具体的なミネラルウォーターの殺菌方法についてガイドラインを発表しています。
実はそれらの基準に満たしていれば減菌されているとは限らず、ミネラルウォーターの中には時間と共に菌が増殖しやすいタイプもあるため注意しなければなりません。
目次
水道水よりも低い基準
ある機関が調査を行ったところ、市販のミネラルウォーターの多くが、水道水の品質基準より下回っていることがわかりました。
これらの多くはバクテリアを多く含み、水道水より菌が多く繁殖していることが判明したのです。
元々天然水を利用していれば当然のことかもしれませんが、水道水より市販のミネラルウォーターのほうが一概に安全性が高いとは言い切れ無い事情が幾つか隠れているのです。
海外と日本における殺菌と減菌
海外と日本でも、滅菌の基準等は大きく異なるものです。
国内外における違いについてご紹介します。
開封後に菌が繁殖する可能性
市販のミネラルウォーターは食品衛生法により、85度以上で30分以上加熱殺菌する必要が義務付けられています。
そのため原水に含まれる菌がいなくなるのに対し、水道水のように塩素が含まれておらず、ペットボトルの飲み口に口を付けることで雑菌が入り込みます。
口の周りや口腔内には菌が生息していますから、それらが飲み口を通し入り込んでしまうのです。
時間と共に菌が増殖するとそれはもう飲料に適したお水ではなくなってしまいます。
海外では滅菌さえもされていない例がある
日本のミネラルウォーターの基準と、海外ではやや異なります。
日本ではミネラルウォーターとは、ろ過・沈降および加熱殺菌のほかにあげる処理を行ったものと定義付けられています。
一方ヨーロッパでは原水地から直接ボトリングされた商品も見られています。
海外の加熱殺菌された商品は、プロセスド・ウォーターという位置づけとなり、日本との規格が異なります
実際に日本に輸入された製品の中で、細菌や異物が検出される例もありました。
更に高い技術を採用した非加熱殺菌の工場は非常に少なく、未開封での賞味期限は1年未満しか保てない事情があります。
日本におけるミネラルウォーターの殺菌方法
採水
各ミネラルウォーター会社により採水する原産地は異なります。
山、川、泉、温泉などが採水地として選ばれ、天然水に近いものもあれば、水道水と同等のレベルの採水地などもあります。
原水の品質管理
採水された原水は水質検査が行われ、詳しい成分を分析しながら水質チェックされます。
このときにニオイ・味など人を利用し確認されることもあります。
ろ過・減菌
原水をフィルターにかけ不純物を取り除きます。
ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外にあげる処理を行い、ミネラルの調整・オゾンや紫外線の殺菌がされボトルに詰められます。
ミネラルウォーターの種類による減菌の違い
日本で販売されているミネラルウォーターでは、主に4つの種類にわけることができます。
売られているお水が全て殺菌処理されているわけではありません。
ナチュラルウォーター
特定の水源から採取した地下水を使用し、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないものです。
ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターと同じような地下水を使用していますが、ミネラルを含んでいます。
その上で、ろ過・沈殿・加熱殺菌以外の処理をしていないものです。
ミネラルウォーター
ナチュラルウォーターと同じ地下水をろ過・沈殿・加熱処理・オゾン殺菌や紫外線殺菌をしたものです。
更にミネラルの調整やブレンドを行っています。
ボトルドウォーター
地下水をそのままボトリング、または地下水の成分を変化させる処理を行ったものです。
処理方法に限定されていません。
市販されているミネラルウォーターの種類をよく知らずに購入すれば、口を付けて雑菌が入り込む以前に、元々多少の菌が入り込んでいるタイプもあることを知りましょう。
飲料の基準には満たされているわけですが、長期間の保存を考えると品質的に問題が生じる可能性があります。
市販のミネラルウォーターの賞味期限は約1日
市販されているミネラルウォーターは開封後すぐに飲みきることを前提に作られています。
水道水のように塩素が入っていらず、開封すれば空気中の細菌・口から入り込む菌により直ぐに腐敗が進んでしまうからです。
そのことから賞味期限は約1日です。
長期間の保存の場合は冷蔵庫の保冷が必要で、その場合でも1週間以内に飲みきるのが望ましいとされています。
ミネラルウォーターは少量ずつ購入し、必要な際に利用するのが一番でしょう。
ミネラルウォーターは直ぐ飲みきれる場合限定
市販されているミネラルウォーター自体が直ぐに飲みきれることを目安に作られており、長期間の保存には適していません。
開封しなければ2年~3年は保存が利きますが、その代わり一度でも開封すると賞味期限が一気に進みます。
菌の繁殖が気になる方は1日で飲みきりましょう。