ミネラルウォーターは下痢の原因になる
飲み水にとどまらず、生活用水としても広く利用されるようになったミネラルウォーターですが、実は下痢の原因となってしまうことがあります。
ミネラルウォーターをたくさん飲んでしまった後にお腹がゆるくなった経験のある方もおられるでしょう。そのときは原因がわからなかったかもしれませんが、それはミネラルウォーターのせいである可能性が高くあります。
お水を飲み過ぎること自体も胃腸の調子を崩してしまう原因の1つにはなりますが、特にミネラルウォーターにはお腹を下しやすい要因が別にあるのです。
含まれるミネラル分に注意
ミネラルウォーターと名のつくお水には、その名のとおりミネラル分が含まれています。
飲み過ぎてしまったことによって下痢になるのは、ここに含まれるミネラル分の影響であると考えることができるのです。
ミネラルウォーターには、水道水などに比べて多くのミネラル分が存在しています。
硬度と呼ばれる数値が高ければ高いほど、下痢に陥るリスクが高くなると言えるでしょう。
ミネラルウォーターに含まれるミネラル分とは
大なり小なり、お水の中にミネラル分を含んでいるのがミネラルウォーターです。
含まれるミネラル分の種類
ミネラルウォーターにはどのようなミネラル分が含まれているのかを下記に挙げます。
マグネシウム
私たちの体に欠かせない必須ミネラルの一種であり、生体活動の大部分で必要となるものです。体内の代謝にも深くかかわっており、カルシウムとともにそのバランスによって体調を整える重要な役割を果たします。
ミネラルウォーターの硬度の数値は、このマグネシウムとカルシウムの割合によって決まります。
カルシウム
こちらも必須ミネラルの一種で、私たちの体内にあるミネラル分で最も多く存在しています。
骨や歯を作るために重要な位置を占めるほか、代謝にも深くかかわるミネラルです。血中濃度によって体調を崩してしまうことがあり、そのバランスを保つことも健康には大切となります。
マグネシウムと同様、ミネラルウォーターの硬度を決める成分でもあります。
ナトリウム
主に塩分として摂取できるミネラルで、これも必須ミネラルの一種に数えられます。
筋肉の機能や神経伝達に深くかかわる成分であり、体内のミネラルバランスを保つために重要な位置を占めます。
カリウム
ナトリウムとともに体内のミネラルバランスをつかさどるのに重要な必須ミネラルの一種です。
相互の関係性によって、どちらかを摂取しすぎても不必要な分は体外に排出できるシステムを担っています。
主に細胞内に存在しており、一定量を摂取して細胞内での濃度を保つようになっています。
その他
上記のミネラル分に加え、バナジウムやサルフェートといった形でお水に含まれるミネラル分が存在します。
下剤として使用されるマグネシウム
前述のミネラル分の中で、特に下痢と関係していると考えられるのがマグネシウムです。
この成分は、便秘の症状を改善するための下剤として使用されるものでもあり、適度な服用で便通をよくすることができます。
しかし、過剰に摂取しすぎることによってお腹が緩くなりすぎてしまい、結果的に下痢になってしまうことがあるのです。
ミネラルウォーターの飲み過ぎで下痢を起こす場合、単純にお水の影響かと思いがちですが、硬度の高いお水であった場合はこのマグネシウムが一因となっていることが考えられます。
純水(ピュアウォーター)ならたくさん飲んでも問題なし
ミネラルウォーターに含まれるマグネシウムが下痢を引き起こしてしまうとなると、その種類によっては安心してたくさん飲むことがためらわれます。
もしお腹が弱い方である場合は、できるだけ硬度の低いものを選ぶのが無難でしょう。
そうした点では、ミネラル分を含めた不純物をほとんど含まない純水(ピュアウォーター)なら安心です。一気飲みのような形で急激に摂取しなければ、純水(ピュアウォーター)でマグネシウムを過剰に摂ってしまう心配はありません。
ミネラルウォーターで下痢をしてしまう方は、そのお水を純水(ピュアウォーター)に換えてみるのがおすすめです。
とにかく体に良いと言う情報には注意
巷では、ミネラルウォーターがとにかく体によいといった情報が氾濫しています。
もちろん毒ではありませんが、場合によってマグネシウムが原因と考えられる下痢を引き起こす恐れがあるのも事実です。
しかし、こうしたデメリットを把握しないままに、健康にいいという情報のみをうのみにしてしまってたくさん飲むと、お腹を下してしまうリスクは高くなると言えるでしょう。
いろいろなメディアでは、水道水よりも安全で健康にもよいということばかりをアピールしている場合があります。
情報は精査して吟味することが大切です。
飲み過ぎには注意すること
ミネラルウォーターには下痢などのデメリットはありますが、それにも個人差がありますし、お水の硬度によっても変わってきます。
こうした心配はミネラル分をほぼ含まない純水(ピュアウォーター)なら心配ありませんが、いずれにしろお水を過剰に飲み過ぎないことが大切です。
適度に数回に分けて飲むのが、体にもよい方法なのです。