純水とミネラルウォーターは明らかに違う
私たちが日常的に使うお水は、安全であるに越したことはありません。
安全なお水としてよく挙げられるものには、純水とミネラルウォーターがあります。
これら2つはよく混同されがちですが、それぞれの特徴には明確な違いがあり、用途によって使い分けることができます。
その明確な違いとは、処理方法と成分にあります。
純水は、高精度ろ過を行うことで、微生物や土砂などはもちろんのこと、ミネラルウォーターとしての条件であるミネラル分などさまざまな不純物を取り除いたお水です。
限りなくお水のみの状態に近づけた、純度の高いものが純水なのです。
純水になるためのROろ過という方法
できるだけお水本来の成分のみを残し、ほぼ完全に混じりけのない純水に仕上げるためには、特殊なろ過方法が必要です。
そのろ過方法とは「ROろ過」と呼ばれるもので、それに使用されるRO膜は逆浸透膜とも言われます。
この特殊な膜に通すことで、お水の中に含まれているさまざまな成分をほぼすべて取り除くことができるのです。
この過程によって、お水本来の状態に近づけ、幅広い用途に使うことが可能となります。
安心な純水を作り出す方法とは
先述の通り、純水はより混じりけのない安全なお水として作られています。
その処理の過程について、下記で解説致します。
不純物をほぼすべて取り除けるROろ過
RO膜(逆浸透膜)を使用するROろ過とは、通常のろ過の過程とは若干異なるものです。
その大きな違いとは、やはりろ過する際に通す膜の構造であり、その膜にある孔は50万分の1ミリ以下となっています。
現在確認されているウイルス類で最小のものでも、5万分の1ミリ程度とされていますから、RO膜の精度がいかに高いかがうかがえます。
このRO膜によって、お水に含まれる微生物や土砂などはもちろんのこと、ミネラル分なども含めたあらゆる不純物を取り除くことができます。
ろ過の方法としては、圧力によって塩類濃度の高いお水から低いお水の方へ浸透していく仕組みを利用しており、これによってお水を構成する分子だけを取り出せるのです。
ミネラルウォーターは処理方法が限られている
ROろ過によって抽出された純水は、そこに不純物をほぼ含んでいないお水に仕上がります。
そのため、ミネラル分を含むことが前提となっているミネラルウォーターとは大きな違いがあるのです。
また、ミネラルウォーターを謳うためには、法律上、必要最低限の処理以外を行うことができなくなっています。
そのため、ミネラル分にとどまらず、その他の不純物や微生物なども完全に除去されていないこともあるのです。
ミネラルウォーターの安全性が低いというわけではありませんが、お水の成分のみとなる純水は、より安全性が高く、また変質もしにくいと言うことができるでしょう。
純水の製造方法とは
混じりけのない純水を製造する方法は次の4つの工程になります。
1.採水
山から湧き出る新鮮な地下水などをくみ上げ、原料となるお水とします。
これに加熱などの各種処理などのみを行った状態で、ミネラルウォーターは販売されます。
2.製造工場へ
採水地から純水の製造工場までは、極力空気や人の手に触れることなく直接運ぶことで、運搬家庭で不純物が混じってしまうのを防ぐことができます。
採水地のそばに工場を作り、直接パイプで送るなど、さまざまな工夫が凝らされます。
3.数段階に分けてろ過を行う
前述したRO膜をはじめとして、いくつかの種類のろ過膜を通してお水の中の不純物を取り除いていきます。
膜の孔の大きなものから通していき、最終的に微細な孔を盛るRO膜に通して段階的に純度の高いお水としていくのです。
4.ボトル詰め
こうして純度99%以上までになった純水は、順次ボトル詰めされていきます。
ろ過からボトル詰めの過程でも無菌状態を保った状態で行われ、人の手も加えられない構造になっています。
そして密閉されたボトルの中には、清潔で高い品質を誇る純水が詰められるのです。
不純物がなければ使い道が広がる
水道水は消毒に使用される成分が混じっていますし、ミネラルウォーターにはミネラル分をはじめとした不純物が混じっています。
これらとは明確に違うのが純水であり、上記のお水に含まれた成分によって人体に与える影響を考えずに済むのです。
ミネラルウォーターには純水にないミネラルが含まれているため、赤ちゃんのミルクなどに使用するのは避けるべきとされていますが、純水ならそのような心配もありません。
また、お水以外の味がしない純水なら、料理や飲み物の味を変えることもなく、使い道を制限されることなく幅広く使用することができるのです。
ミネラルウォーター以上に安全性が高い純水
このように、ミネラルウォーターに含まれるようなミネラル分などの不純物がほぼ一切含まれない純水は、もちろんミネラルウォーターとは根本が異なります。
余計なものを含まない純水だからこそ、安全性が高く、幅広い用途に使用することができるのです。