ミネラルウォーターの成分により、白い結晶が付着してしまいやすいので注意が必要です
お茶やコーヒーなどを淹れるとき、またカップラーメンなどを作るときにも、熱く沸かしたお湯がすぐに使えれば便利なものです。ご家庭で電気ケトルや電気ポットを使用している方も多いでしょう。
さらにそのお湯もおいしく安全であるに越したことはないため、ミネラルウォーターを電気ケトルやポットに入れて沸かすこともあります。しかしそうするとケトルやポットの内部に白い結晶ができてしまったり、お湯の出が悪くなってしまったりすることはないでしょうか。
それは、ミネラルウォーターに含まれる成分によるものです。
目次
ミネラルウォーターはミネラル分が結晶化しやすい
通常どおり使用していても、電気ケトルやポットの内部には白い汚れが付着してしまいがちです。これは、入れたお水に含まれるミネラル分の結晶なのです。
水道水を使っているときでもこの汚れはたまっていきます。そして、水道水よりもミネラル分が多いミネラルウォーターでは、さらに白い結晶ができやすくなってしまうのです。
この白い結晶は汚れとなるだけではなく、給湯ポンプも詰まらせてしまうことになるため、注意が必要です。
⇒ミネラルウォーターができるまでの過程を解説した記事はこちら
電気ケトルやポットにできる汚れは「ミネラル分」の蓄積
電気ポットでお水を沸かすと、多かれ少なかれ白い汚れがついてしまうものです。いわゆる水アカとされるものですが、これはただ洗っただけでは落ちない厄介な汚れでもあります。
この水アカについて、その対処法を下記に挙げていきます。
白い水アカの正体はミネラル分
電気ケトルやポットの内側につく白い水アカは、お水を沸騰させることによって結晶となるミネラル分です。そのため、ポットに水道水を入れるときと、比較的多くミネラルを含むミネラルウォーターを入れるときでは、後者の方が水アカがつきやすいです。
いったん結晶になってしまったミネラルは、お水の通り道にこびりついてしまい、それが塊のようにたまってしまうこともあります。つまり、長期間使い続けることでどんどん結晶が蓄積されていってしまうのです。
電気ポットはなかなか掃除まで行き届かないことも多く、気が付けばポットの内側だけではなくポンプやパイプ部分にもたまってきます。それによってお湯の出が悪くなることもあり、故障かと思ったら水アカのせいだったというケースも見られます。
洗剤でこすった程度ではなかなか取れない
ミネラル分が結晶となった水アカは、通常の台所用洗剤をつけてたわしなどでこすってもなかなか取れてくれません。これはシンク周りやお風呂場でも見られる現象です。
通常の洗剤ではこのミネラル分の結晶を溶かしだすことができないため、ついつい放置してしまいがちになることに心当たりのある方もいるでしょう。
しかし、こうした汚れを落とす方法がないわけではありません。結晶化したミネラルは、酸性の物質には比較的簡単に溶けていきます。つまり、酸性の液体で洗浄することで結晶をきれいに取り除くことができるのです。
⇒ミネラルウォーターを料理に使用する安全性について解説した記事はこちら
5ステップで水アカを落とす!電気ポットの洗浄の仕方
ミネラル結晶となった水アカを落とすには、クエン酸やお酢を溶かした液体を使うのが有効です。
クエン酸は、一般的な薬局やドラッグストアなどで販売されており、またポット洗浄用やケトル洗浄用として売られているものもあります。
-
- 水を入れる
電気ポットの上蓋を開け、お水を満タンの位置まで入れます。
このときに入れるお水は水道水の方がよいでしょう。
-
- クエン酸を入れる
家庭用電気ポットで満タンにしたお水に対して、クエン酸は約20~30g程度を用います。
ポット洗浄用のものはパッケージに示された容量を入れてください。
-
- 沸騰させる
上蓋を閉めて沸騰ボタンを押し、沸騰させます。
ポットの洗浄剤を使う場合は沸騰させる必要はありません。
-
- しばらく放置する
保温状態になったら、約1時間半~2時間程度そのまま置いておきます。
- 排水・すすぎを行う
時間がきたら中のお水を排水しますが、このときにポンプや給湯パイプまで洗浄するために、給湯ボタンを押して給湯口から排水します。
コップ1~2杯程度の量を給湯口から排水したら、あとは上蓋を外してそのまま排水してもOKです。
その後、ポット内に残ったクエン酸をすすぐためにもう一度満タンまで水を入れて沸騰させ、同じように排水すると効果的です。
こまめに洗浄をするか、ミネラルウォーターを入れるのは避ける
電気ケトルやポットの洗浄は定期的に行うべきですが、ミネラルウォーターを使用する場合はさらに短いスパンで洗浄する必要があるでしょう。洗浄が面倒な場合はやはりミネラルウォーターは避けた方がよさそうです。
しかしミネラルの結晶は、どのようなお水を使っても起きるものです。水道水を使っても、ミネラル分は微量でも含まれているため、長期間放置すると結晶化は進んでいくものなのです。
水道水に抵抗があるということであれば、ミネラルウォーターの中でもできるだけミネラルの割合が低い軟水を選ぶのも1つの方法です。
⇒ミネラルウォーターの安全性・ミネラルウォーターの減菌について解説した記事はこちら
(まとめ)電気ケトルでミネラルウォーターを沸かしてもよい?
ミネラルウォーターの成分により、白い結晶が付着してしまいやすいので注意が必要です
どのようなお水を使うにしろ、電気ケトルや電気ポットの中は日々汚れていきます。ミネラルの結晶である水アカ以外にも、細菌やカビなども発生しやすいことは確かです。
電気ケトルやポットの洗浄はなかなか手が回らないということもありますが、洗浄はこまめに行うものと頭に置いておいた方が衛生的にも安全です。電気ケトルや電気ポットは放置せずにきれいにしておきましょう。
-
- e-ヘルスネット「ミネラル(みねらる)」
- NestleHealthScience「【ミネラルとは?】豊富に含む食品と種類や働きをわかりやすく解説」
- 一宮市「上水道(水質)」
- 第一石鹸株式会社「クエン酸の特徴」