ミネラルウォーター内の電解質
一般的にミネラルウォーターと呼ばれるものには、多かれ少なかれミネラル分が溶け出しています。
もちろん、ミネラルが含まれているからミネラルウォーターと言われるわけですが、水の中ではそれらのミネラルは空気中とは異なった形で存在しています。
それが電解質と呼ばれる形で、ミネラルウォーターに含まれるミネラルおよび私たちの体内の血液に含まれるミネラルは、この電解質の形となっているのです。
お水やスポーツドリンクなどの形で不足したミネラルを補給すると、そのまま吸収されやすくなると考えられ、効率的になるのです。
電解質のミネラルは体に不可欠なもの
私たちの体に流れる血液には、電解質となったミネラルがそれぞれの役割を果たしています。
このミネラルは、汗や尿などに溶け出して常に排出されているのです。それを補給するためには食事が必須となるわけです。
そして、血中のミネラルと同じく電解質となったミネラルを含んでいるミネラルウォーターは、水分補給としても電解質補給としても役に立ちます。
電解質とお水について
市場で販売されているミネラルウォーターとはろ過や殺菌、ミネラル調整など飲用水としてあまり手を加えない状態で製造されるものですが、このほかにもミネラルをはじめとした電解質を利用してさまざまな種類のお水が売り出されています。
その電解質について、またその原理を利用して製造されるお水について見ていきます。
ミネラルウォーターに含まれる電解質
液体中に含まれるミネラルは電解質となって溶け出していますから、ミネラルウォーターの中のミネラルとは電荷を持った電解質です。
その多くはプラスの電荷を持った陽イオンとして存在し、それぞれの役割を私たちの体内で果たしています。
カルシウムイオン
体内で陽イオンとして存在しています。
カルシウムは、骨を作ったり血管や筋肉の収縮をコントロールしたりなどといった機能を持つ物質です。
また、神経伝達にも関与しているとされるため、生体活動には重要なものなのです。
そして、マグネシウムとのバランスが重要で、そのバランスが崩れるとそれぞれの吸収率が悪くなってしまいます。
マグネシウムイオン
これも体内にある陽イオンのミネラルです。
マグネシウムは体内での代謝活動に広くかかわる物質であり、細胞の入れ替わりや成長にも深く関係しています。
これは、酵素の働きを活性化させるというマグネシウムの特性があるためです。
カルシウムとのバランスが重要となり、バランスの崩れで相互に吸収率に影響を与えてしまいます。
ナトリウムイオン
陽イオンとして血中に存在し、カリウムとの関係によって血液や細胞内の水分バランスを保つ役割を果たします。
また、筋肉の収縮や神経伝達にも関係するほか、血圧のコントロールを行う働きもあります。
カリウムイオン
陽イオンミネラルの1つで、ナトリウムとのバランスを保ちながら機能する物質です。
筋肉の収縮、そして神経伝達にもかかわっているほか、余分な水分を排出する機能があるため、むくみを改善したり高血圧を防いだりすることもできます。
電解質の性質を利用した電解水
ボトルなどの容器に入って販売されているお水の中には、ミネラルウォーター以外にもいくつか種類があります。その中で、お水の中に電解質を投入して電気分解を行って製造したものも多く見受けられます。
これらはその処理方法から、製造基準で見た場合のミネラルウォーターには分類されないものです。
電解水・活性水素水・アルカリイオン水などその名前にはいろいろありますが、いずれも電気分解の原理を利用して作られたものであると言えます。
電気分解して作られるお水
電解質の性質を利用して電気分解を行うことで製造されたお水には、下記のような違いがあります。
電解水
お水の中に電解質の物質を入れて電気分解を行い、陽極もしくは陰極でそれぞれ作られる物質を混ぜたお水全般を指します。
陽極で作られるものは酸性となり、逆に陰極ではアルカリ性となります。
アルカリイオン水
上記の電解水の中で、陰極で作られた物質を含むお水です。
人の体液は弱アルカリ性であり、その状態を保つことで健康な体が維持できます。
そこで、同じくアルカリの性質を持つアルカリイオン水は体にもよいとされているわけです。
活性水素水
アルカリイオン水の中で、特に電解質として食塩を用い、水素が原子レベルとなった活性水素と呼ばれる状態で存在しているお水を指します。
活性水素は、酸化を進める活性酸素と結びつき、水分として排出される効果があるとされることから注目を浴びています。
体外に排出される電解質補給にミネラルウォーターを
上記のようにいろいろな種類のお水が広く売られており、それぞれに体によい効果を得られる期待はあります。
その中で、単純に体外に排出される電解質のミネラルを補給するには、ミネラルウォーターやスポーツドリンクなどが適していると言えるでしょう。
分子量が少ない状態ならさらに体に吸収されやすくなり、不足してしまった水分や電解質を補給するのも容易になります。
特に汗をたくさんかくスポーツの後や朝起きた後などにコップ1杯を飲むと効果的です。
いろいろな情報があるが見極めは自分で
電解質や電解水などには非常にさまざまな情報が飛び交っています。
それは、この分野について科学的な検証がまだなされていないためと言うこともできます。
ただし、理論上では効果が期待できるとも考えられるため、こうした情報を自分自身で精査してお水を選ぶことをおすすめします。