パン作りに適したミネラルウォーターは硬水?
家庭でパンを作るという人も多いでしょう。
しかし、うまく膨らまなかったり、硬くなってしまったりしてしまうことも。
パン作りにおいてお水は非常に重要なもので、お水によってパンの食感が変わってきます。
ミネラルウォーターには硬水と軟水があり、どちらを使うかでパンの質が異なるのです。
パン作りに適しているのは、硬度が50~120mg/lのやや硬水と言われています。
軟水ではないものの、硬度が高すぎないミネラルウォーターを使うと、おいしいパンが焼けるということです。
ミネラルウォーターの種類で変わるパン
硬水を使うとパサつきが強くなり、軟水を使うと粘り気のあるパンになります。
また、パン作りには酸性とアルカリ性の違いも影響します。
アルカリ性の強いミネラルウォーターは、発酵がうまく進みませんが、酸性が強すぎると今度は生地が切れやすくなります。
発酵をうまく進ませるには、やや酸性のお水がいいと言われています。
パン作りのためのお水選び
パンは小麦粉にお水を加え、こねることで弾力のあるグルテンに変わります。さらに発酵する際に炭酸ガスをグルテンが巻き込み、生地が膨らみます。
塩や砂糖などを溶かして小麦粉を合わせる時にも使うお水。
おいしいパンを作るためには、小麦粉や小麦粉の管理状態、種類なども重要ですが、適したお水を選ぶことが大切です。
どのようなお水を選べば、おいしいパンを作ることができるのでしょうか?
パン作りにおいて重要なお水
パン作りの基本的な材料は、小麦粉、イースト、塩、そしてお水です。
特にお水の役割が大きく、どのようなお水を使うかにとってパンのできあがりに影響します。
パン作りにおけるお水の働きには、一つはでんぷんと一緒に加熱する際にお水を吸収し、やわらかくする、という役割があります。
また、小麦粉にお水を加えてこね、小麦粉に含まれるタンパク質をお水が吸収して、グルテンに変化させるという役割があります。
さらにイーストや酵母を活性化させるという働きをするお水。
このように、パン作りにおいて、お水の働きは多く、重要です。
パンづくりに適している硬度は?
カルシウムとマグネシウムがどれくらい含まれているかによって、硬度が異なります。
国よって硬度の表し方は異なりますが、WHOによると次のように分類されています。
- 非常な硬水…180mg/lリットル以上
- 硬水…120~180mg/lリットル未満
- 中程度の硬水…60~120mg/lリットル未満
- 軟水…60mg/lリットル未満
パンづくりに適しているのは、100mg/l程度のやや硬水と言われています。
この程度の硬水を使うと、グルテンのつながりが強くなり、適度に粘り気のあるパンができます。
軟水を使うと、イーストのガス発生がよく、生地に粘着性が強すぎてしまい、硬度の高いミネラルウォーターを使うと、グルテンが強く締まり過ぎ、発酵が遅くなったり、作業が進まなくなったりすることがあります。
酸性水とアルカリ性水の違い
お水には酸性とアルカリ性があります。
イーストには弱酸性のもとで活性化するという性質がありますので、強い酸性やアルカリ性のものだと、発酵がうまく進まないというデメリットがあります。
適しているのは、やや酸性のpH値が6~7のものがパン酵母の働きを活性化し、適度にパン生地を締めてくれます。
近年増えているアルカリイオン水はpH値が8.0~9.5程度のお水なので、パン作りにはあまり適しているとは言えないでしょう。
フランスパンに適したミネラルウォーター
パン作りにはお水選びが重要ですが、特に単純配合のフランスパンは、どのようなお水を選ぶかによって、できあがりに大きな差が出ます。
フランスパンのしっかりした締まりのある生地を作り、香ばしさを出すにはやや硬水が適しています。好みによっては、少し軟水を混ぜてみてもいいでしょう。
パンの種類によって異なるお水選び
パンの種類はさまざまですから、それに合ったお水を選ぶことが必要になります。
フランスパンのようなパリッとした食感、しっかりした生地を大切にするなら硬水を、やわらかな食感を必要とするなら軟水に近いものを、といったように、パンの種類によって、お水を使い分けることが必要です。
また、菓子パンにはアルカリ性、フランスパン系には酸性、といったpH値も気にかけることで、好みのパンを作ることができるでしょう。
パン作りに適しているのはやや硬水のもの
基本的にパン作りに適しているのは、やや硬水と言われています。しかし、パンの種類や好みに合わせてお水の硬度を選ぶことが重要です。
また、やや酸性のお水がパンづくりに適していると言われています。
ただし、軟水だからパンがおいしくならない、アルカリ性だと味気ないパンができるというわけではありません。
パンの硬さややわらかさ、しっとり感、適度なパサつきなど、パンの種類や好みによって、どのようなミネラルウォーターを使うかを選ぶことが大切です。
いろいろな硬度のミネラルウォーターを使って、自分好みのパン作りに挑戦してみるのもいいでしょう。