パスタを作る時に適したミネラルウォーター

パスタ作りに適切なお水は
ミネラルウォーターは飲料水だけでなく、料理に利用するとおいしくできあがると言われています。お米がふっくらと炊き上がったり、煮物の味をマイルドにできたりという効果があり、よりおいしい料理を作ることができるのです。

しかし注意しなければならないのは、軟水と硬水の選び方です。

お米を炊く時には軟水を使います。硬水を使っても、おいしく炊き上がるとは限りません。
一方でパスタを作る時には硬水を使うと、アルデンテに茹で上がりおいしくできあがります。

料理に適したミネラルウォーター選び

軟水が豊富な日本においては、煮物や出汁などの日本料理が発展しました。お茶の文化が発達したのも、軟水が多く取れたからだと言われています。

硬水が多く取れるヨーロッパなどでは、パスタや煮込み料理などが多いです。

このようにその国や地域で採れるお水によって、それに適した料理が生まれ、発展してきました。

お水と料理には深い関係があるのです。

ミネラルウォーターを生かした料理づくり

ミネラルウォーターには軟水と硬水があり、それぞれの特長を生かすことで、料理がよりおいしくなります。

それぞれどのような料理に適しているのでしょうか?

お米をふっくらさせるなら軟水

軟水と硬水の違いがはっきり表れるのがお米だと言われています。軟水でお米を研ぎ、炊くとふっくらとした粘り気のあるご飯になります。

硬水を使うと、カルシウムの働きによって食物繊維が硬化するので、パラパラとしたご飯になります。チャーハンやパエリア、ピラフなどを作る時には硬水を使うといいでしょう。

和食には軟水が合います。
和食の基本であるだしを取る際、マグネシウムやカルシウムが多い硬水を使うと旨み成分のグルタミン酸やイノシン酸が溶け出しにくく、ミネラル分がアミノ酸と結合してアクになってしまうのです。

軟水は、煮物などにも適しています。
水分を充分に含ませることができるので、素材をやわかくしてくれるのです。

煮物に硬水を使うとカルシウムの働きによって食物繊維を硬くさせ、アクを出しやすくしてしまいます。

パスタをアルデンテに茹でるなら硬水

和食などの日本料理には、基本的に軟水が適していると言われていますが、煮崩れしたくない場合、あくをきれいに取り除きたい時には硬水を使うといでしょう。
硬水の多いヨーロッパなどでは、お肉料理が多いですが硬水を使うことで、硬めの肉を柔らかくしてくれるのです。

パスタを茹でる際には、中硬水から硬水が合います。パスタの麺にコシが出て、アルデンテを茹でる際にはちょうどいいのです。
それはパスタのでんぷん質と硬水のカルシウムが結合することで、麺にコシが出るからです。

また、コーヒーを飲む際にも硬水がオススメです。コーヒーの香りや風味を楽しむには硬水が向いているとされています。

ミネラルウォーターのカルシウムが多いと、苦味がやわらぐので飲みやすくなり、マグネシウムが多いと、渋みや苦みが出やすくなります。

さらに、焙煎が深いと酸味が弱くなるので、焙煎が浅い場は硬水、深い場合にはさらに硬度の高いものを使う、といった利用方法があります。

パスタは硬水でもラーメンは軟水?

パスタをアルデンテに茹でる際には硬水が好まれますが、同じ麺でもラーメンを茹でる際には、軟水がいいと言われています。

ラーメンの製麺にはアルカリ度が低い方がいいとされているのですが、硬水はアルカリ度が高いため、硬度の高いお水で打つと、食感がよくならないとされています。

食文化とミネラルウォーター

お水で違う食文化
日本では軟水が多く、ヨーロッパでは硬水が多い、という違いによって、食文化もそれぞれの特性を生かしたものが発達したと言われています。

基本的に料理に合うと言われている軟水。
日本はたっぷりの軟水を使い、おいしく食べられる和食が発展してきました。
緑茶が多く飲まれるようになったのも、軟水によっておいしく飲むことができるからです。

硬水を料理に利用すると、ミネラルの働きによりタンパク質が固まって旨み成分が出ないことがあります。そのため、お水をそのまま利用するより、素材の性質を利用した料理が発達しました。

煮物料理は水で煮込むのではなく、スープストックやワインを利用することが多いです。
このようにして、フランス料理やイタリア料理のような食文化が発展したと考えられています。

ミネラルウォーターでおいしいパスタを茹でる

料理の際に使用するミネラルウォーターによって、料理の味が変わります。料理にはそれぞれ適したミネラルウォーターがあるのです。

お水をたっぷり使い、水質の影響を受けやすい和食には軟水が合います。
素材の味を引き出すには、軟水を使うといいでしょう。

茹で加減が大事なパスタには、硬水を使いましょう。麺にコシが出て、ちょうどいいアルデンテに茹で上げることができます。

このようにミネラルウォーターの違いを知れば、よりおいしい料理に役立てることができます。