体に良いけど、飲む人や飲み方を選ぶミネラルウォーター
残留塩素や鉛が含まれている可能性のある水道水に比べて、有害物質のないミネラルウォーターは安心して飲むことができます。
現代人が不足しがちなミネラル成分を補うこともできるため、そういった意味でミネラルウォーターは体に良い飲み物だと言えるでしょう。
しかし、効果に対して過剰な期待を持つのは禁物です。無条件に誰でもがぶ飲みできるわけではありません。
赤ちゃんや妊婦さんは避けた方が良いでしょう。体に良いからと言って飲み過ぎもNGです。
「ミネラルウォーターが体に良い」とされる理由
ミネラルウォーターには、ナトリウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。
ミネラルは五大栄養素のひとつにも数えられる、体に欠かせない成分。
不足しがちなこの成分を摂取できる点が、ミネラルウォーターが体に良いと言われている主な理由です。
しかし、飲み方や飲む人によっては効果が得にくかったり、逆に体調を崩してしまったりすることがあります。
実際にミネラルウォーターが体に与える効果や影響とは?
ミネラルウォーターを飲むと、体に良い様々なメリットを得ることができます。
ダイエットや健康の維持、体のトラブルの解消に効果があるでしょう。
具体的にはこんな効果です。
- 血流が良くなり、体温が上がる(肩凝り・腰痛、冷え性の改善)
- 代謝がアップする(ダイエット効果、美容効果)
- 体内の老廃物・毒素を排出しやすくなる(むくみ・便秘解消、デトックス効果)
しかし、誰でも大量に飲んで良いかというとそうでもありません。
ミネラルウォーターは意外と個性が強い飲み物。
正しい飲み方で適切に摂取する必要があります。
適当に飲んでしまうと、以下の可能性があることを頭に入れておきましょう。
腎臓に負担がかかる
血液中の老廃物をろ過し、栄養を与える器官は腎臓です。
一度に腎臓が処理できる量には限界があるため、ミネラル分を多く含んでいるミネラルウォーターを一度に大量に摂取すると、腎臓が急に忙しくなり負担がかかります。
むくみや冷えの原因となったり、場合によっては気持ち悪くなってしまったりすることもあるでしょう。
ミネラルは体にとって大切な成分ですが、腎臓の働きという点を見ると逆効果になってしまう可能性があるのです。
一気飲みや、大量の摂取は避けた方が無難。
通常はそこまで意識することはありませんが、特に腎臓が弱い人、腎臓に疾患がある人はミネラルウォーターよりもピュアウォーターの方が良いでしょう。
赤ちゃんの内臓に負担がかかる
赤ちゃんは体の80%が水分で構成されており、更に新陳代謝が活発なのでたくさんの水分を必要としています。
しかし、赤ちゃんは内臓が未発達です。
大人にとっては体に良いミネラル成分も、赤ちゃんにとっては負担になってしまうことがあるでしょう。
特にミネラル成分の強い硬水(1リットルにつき硬度120mg以上のミネラルウォーター)で粉ミルクを作るとミルクの成分が崩れてしまい、赤ちゃんがお腹を壊してしまうことも。
そのため、赤ちゃんや妊婦さんにはミネラルウォーターはあまりおすすめできません。
そもそも水に含まれるミネラルは吸収しにくい
実はそもそも水に含まれているミネラルは、食事で摂取するものと違って体内に吸収されにくいものです。
特に軟水に含まれるミネラル成分は硬水に比べて少なくなっています。
ほとんど吸収されずにそのまま体外に排出されてしまうことも多いでしょう。
かと言って硬水を何も気にせずにガブガブ飲むと、上記のようなリスクもあります。
ミネラル成分をミネラルウォーターのみで補うという考えはあまり得策ではありません。
ミネラルの補充は、本来はやはり食事で行うのが一番良いのです。
もちろん代謝を促進したり、老廃物の排出を促したりと体に良い飲み物ではありますが、「ミネラルウォーターを飲んだらまったく病気にならない」「症状が改善する」「飲んだだけで簡単にダイエットが叶う」という思い込みは捨てましょう。
「有害物質を含まないお水」が人間には必要
日本の水道水は世界的にも高い水準を保っています。
しかし、やはり殺菌に使用される塩素は体にとっては有害な物質。
塩素が除去しきれずに残留している水を飲むと、粘膜から体に必要な水分を奪ったり、発ガン性物質を発生させる要因となったりします。
その他にもカドミウムや鉛、六価クロムなど、様々な有害物質が混ざっている可能性は否定できないでしょう。
水道水が原因で社会問題に発展したケースはいくつもあります。だからこそ安全で体に良いお水を大勢の人々が求めているのです。
嗜好品のような感覚で楽しもう
もちろんミネラルウォーターは良質な飲み物ですが、過度な期待は禁物です。
水分補給のついでにミネラルを多少補えるくらいの感覚に改めてください。
また、飲み方や飲む人を選ぶお水でもあるので、自分や家族に合っているかよく確認し、一気飲みなどしないよう気をつけながら飲みましょう。