硬水のウォーターサーバーは日本国内では扱っていない
硬水を生活に取り入れたいなら、便利なウォーターサーバーを利用したいと思う人も多いでしょう。
ところが、ミネラルウォーターや天然水を扱っているお店や会社はあるものの、硬水に限定して探してみると、見つからないのが現状です。
実は、硬水をウォーターサーバーでレンタルまたは購入できる場所は、現在のところ日本国内にはありません。
硬水を生活の中で積極的に利用したいのであれば、別の方法をとる必要があります。
硬水を家庭で使用するには
現在、日本国内で硬水を手に入れる一番手軽な方法は、缶・ビン・ペットボトルに封入されたものを購入することにとどまっています。
サーバーで利用したいのであれば、外国企業から個人的に輸入するか、ペットボトルなどで購入したものを移し替えるといった手段を取らなければならないでしょう。
硬水のウォーターサーバーが取り扱われていない理由は、日本で採取できるお水の種類と関わりがあります。
日本国内のお水について知ろう
日本国内では、ウォーターサーバーでの硬水の取り扱いがありません。
その理由は、日本で採取できるミネラルウォーターや天然水の種類、そして硬水の定義にあります。
そもそも硬水とは?
ミネラルウォーターや天然水などのお水は「硬水」と「軟水」に分けられますが、その分類はお水の中に含まれるミネラル分(カルシウムイオンとマグネシウムイオン)の量によって決定されます。
ミネラル分がどれだけ含まれているのかを「硬度(mg/L)」で表し、硬度が高いものが硬水、硬度が低いものが軟水となります。
硬度を表す計算式は国によって異なりますが、日本では世界保健機関(WHO)も採用している「アメリカ硬度」を使用しています。
このアメリカ硬度を基準にすると、お水は硬度によって次のように分類されます。
0~60mg/L未満:「軟水」
60以上~120mg/L未満:「中程度の硬水・中硬水」
120以上~180mg/L未満:「硬水」
180mg/L以上:「非常な硬水・超硬水」
インターネットでウォーターサーバーの情報を集める際の注意点
日本ではWHOと同じ基準で、硬度からお水を分類しています。
しかし、インターネットで調査をしてみると、軟水や中程度の硬水に分類される硬度であっても、比較的硬度が高いために硬水と呼んでいる情報サイトも存在します。
逆に硬度100未満を軟水と呼んでいることもあり、インターネット上での定義がはっきりと統一されていないのが実情です。
ミネラルウォーターや天然水の詳細を見て、硬度が具体的にどの程度の数値なのかをしっかりと確認しておく必要があります。
日本国内のお水の硬度は?
日本国内のお水の硬度は、都道府県や採水場所によっても異なりますが、全国平均値は50~60mg/Lとされています。
天然水の中には硬度が80mg/Lを超えるものもありますが、それでもやはり中程度の硬水に分類され、硬水であるとはいえません。
外国で採取できるお水には硬水も多く、含まれるミネラル分の量も高いものもあります。
その一方で、日本国内で湧き出して流れているお水は、ミネラルウォーターであっても軟水や中程度の硬水に留まる硬度がほとんどとなっています。
硬度が高いお水で注意したいこと
国内で採取できるお水は硬水としての分類基準に満たない硬度ですが、硬水を摂取することで人によってはお腹がゆるくなったりお腹を壊したりすることもあります。
マグネシウムイオンは体内に吸収されにくいため、大腸に長時間とどまってお水の吸収を阻害することが大きな原因です。
そうすると大腸の内部に水分が溜まり、下痢をひき起こしてしまいます。
特に赤ちゃんや小さい子供は注意が必要です。
また、日本の食生活は日本のお水の硬度に適したものとなっています。
お水は硬度が高いほど口当たりが重くなり、癖のある味になります。
ミネラル分の作用によって料理の質感も変化し、特にお米やお味噌汁、煮物などは硬度の高いお水を使うと味や食感が変化してしまうのです。
料理の方法や材料によっては硬水が適しているものもありますが、和食に関しては軟水や中程度の硬水を使用したほうがおいしく作ることができます。
日本国内のお水は硬度がそれほど高くない
日本国内で硬水のウォーターサーバーがレンタルまたは販売されていない理由は、日本国内で採取できるお水が軟水や中程度の硬水であるからだと言えます。
国内で採れるお水すべてにおいて、硬度の高いお水はほとんどありません。
「硬水」と表示されていても、実際のミネラル分の量を見てみると、硬水の数値に達していないこともあるため注意が必要です。
なるべく硬度の高いミネラルウォーターを選びたい場合は、外国からの個人輸入や別の方法で封入されたものを購入する必要があります。
硬水のウォーターサーバーが欲しいなら
お水に含まれるミネラル分を考慮することも、生活や健康について考える上では有効な方法のひとつです。
ウォーターサーバーで硬水を利用したい場合、日本国内で扱われているお水の硬度に限界があるため、購入方法や用途を吟味するのが良いでしょう。