設置場所の制約やフィルター交換の手間がデメリットとして挙げられます

浄水型(水道直結)ウォーターサーバーは、水道水をその場で浄化し、冷水や温水を手軽に利用できる便利な選択肢として人気が高まっています。
しかし、その便利さの裏には注意すべきデメリットや導入後に後悔するケースも少なくありません。
本記事では、浄水型ウォーターサーバーのデメリットについて詳しく解説し、後悔を避けるために知っておきたいポイントをお伝えします。導入前にぜひ参考にしてください。
目次
浄水型(水道直結)ウォーターサーバーとは
水道直結型のウォーターサーバーは、キッチンなどの上水道と繋ぐタイプです。シンク横やキッチン横に浄水器付サーバーを設置しますが、シンク下に浄水器を設置するものもあります。
上水道を分岐させホースで浄水器を繋ぐため、一般的なウォーターサーバーのようにお水の宅配は必要なく、家庭の水道水が使えます。そのため、水道直結ウォーターサーバーは、お水のランニングコストが抑えられる点が特徴です。
水道直結ウォーターサーバーは、一般的にはサーバーから温水と冷水を出すため、電源が必要です。また、電源が必要なく水道水の水温のままお水が出てくるものもあります。
家庭用浄水器との違いは、水道水の浄化方法です。水道の蛇口に取り付け直接ろ過する家庭用浄水器に対し、水道直結ウォーターサーバーは水道から取り込んだお水を一度サーバーに貯めてからろ過する点が異なります。
さらに水道直結ウォーターサーバーは、フィルターによる違いがあります。活性炭などのフィルターを採用するタイプは残留塩素などを除去することができ、逆浸透膜(RO)フィルターはミネラルを含む水道水のすべての不純物を除去可能です。
浄水型(水道直結)ウォーターサーバーのデメリット
水道直結型のウォーターサーバーは、家庭の上水道に接続させるため取付工事が必要です。取付工事は、取り付け可能かの確認と設置工事の2回に分けて行われるのが一般的です。
1度目の訪問で水栓の形状などを確認しますが、水道直結型のウォーターサーバーが使えないこともあります。使用可能なときでも2度の訪問が必要なため、普段在宅することが少ない家庭では、在宅する手間がかかる点に注意してください。
2度目の設置工事では、60~90分程度の作業時間がかかります。また、解約時も同様に撤去作業が必要です。
設置場所に制約がある
水道直結ウォーターサーバーは、上水道とサーバーをホースで繋ぐため、設置場所が限られます。卓上サーバーはシンク横やキッチンカウンターに設置することが多く、縦長のサーバーはキッチン内やその横に設置するのが一般的です。
ホースは10m程度まで延長が可能なため、水栓から離れた場所にも設置可能です。ただし、離れた場所に設置すると、ホースが床を覆う点に注意してください。
ホースはカバーで覆い壁面に添わせるため目立ちにくく、足で引っ掛ける心配はありませんが、配管が通っていることはわかります。美観を気にする方は、特に注意してください。
また、長いホースを通すと接続部分に不具合が発生した際に、水漏れリスクがある点にも注意が必要です。
災害時の備蓄にならない
水道直結型のウォーターサーバーは、災害時の備蓄としては向いていません。なぜなら、大きな災害に見舞われた際には、水道管が破損して水道水が使えなくなる可能性があるためです。
家庭に届けられる水道は地中に管が通っており、破損すると掘り返しての補修が必要になるため、復旧に時間を要します。復旧するまでの間はお水の供給が止まるため、水道直結ウォーターサーバーは利用できません。
災害用にお水を備蓄するなら、電気や水道などライフラインに左右されない備蓄方法が推奨されます。一方で、ボトル型ウォーターサーバーなら、水道管の破損に影響されず、電気がなくても使えるサーバーを選択可能です。
移動や引っ越しのときは再度工事が必要
水道直結型のウォーターサーバーは、サーバーを移動する際に工事が必要です。工事は、水栓分岐を取り外し、サーバーの水抜きをしてから移設するため、新規設置と同様の設置費用が発生する可能性があります。
また、引っ越しの際には、引っ越す前のお宅と新しいお宅での工事が必要です。そのため、移動や引っ越しのときは、事前に工事日程を調節する必要があります。
新居が近くの場合はサーバーを運搬しますが、遠方の場合は一旦サーバーを回収してから、新しいサーバーの設置が必要になる場合があります。引っ越し先が対応エリア内かどうか、また回収や設置に費用が発生するかをご確認ください。
フィルター交換の手間
水道直結型のウォーターサーバーは、フィルターを使い水道水を浄水しています。そのため、フィルターは定期的に交換しなければなりません。
フィルターの交換は、半年から1年に1回くらいの頻度が一般的です。交換は自分で行え、難しい作業はありませんが、定期的な交換に手間を感じる方もいるかもしれません。
ほとんどのメーカーでは、フィルター代はサーバーレンタル代に含まれているのが一般的で、費用が別途かかる心配はありません。手間を減らしたいときは、できるだけ交換頻度が少ないものを選ぶと良いでしょう。
初期費用がかかる場合がある
水道直結型のウォーターサーバーは、家庭の水道を分岐させる工事が必要で、その際に費用が発生する可能性があります。工事は、シンク下から分岐させる方法と、水栓から分岐させる方法の2種類です。
シンク下から分岐させる方法は比較的工事が簡単ですが、水栓から分岐させる方法はより工事が複雑になります。どちらの場合でも分岐工事を行い、ホースとサーバーを繋いでホースをカバーで覆う作業が必要です。
工事はサーバーメーカーが行う場合と、外部業者に委託する方法があります。特に外部業者に委託する場合は工事費用が高くなりやすいため、事前に工事費用を確認してください。
定額制だが割高になる場合がある
水道直結型のウォーターサーバーで毎月かかる費用は、サーバーレンタル代、水道代、電気代で、レンタルは定額制です。一方で、ボトル型ウォーターサーバーは、水ボトルの定期配送が必要になり、水道直結ウォーターサーバーよりお水代が割高になる特徴があります。
ただし、水道直結型のウォーターサーバーは、ボトル型ウォーターサーバーよりサーバーレンタル代が高い点に注意してください。ボトル型ウォーターサーバーは毎月のサーバー代が無料の機種も選べますが、水道直結型ウォーターサーバーは月々3,000円前後のレンタル費用がかかります。
水道直結型のウォーターサーバーはお水代が水道代のみでお得になる一方で、一人暮らしでお水を飲む量が少ないと割高になる可能性があります。ボトル型ウォーターサーバーは、月に24Lの水ボトルの宅配費用が約4,000円です。
そのため、水道直結型のウォーターサーバーは、月に24L以上使う場合に選ぶメリットがあります。
水質や味がフィルターの性能に依存する
水道直結型のウォーターサーバーは、原水が水道水である点に注意してください。高性能フィルターで不純物をろ過できるため、カルキ臭さが軽減されますが、不純物を100%除去できるフィルターはありません。
逆浸透膜(RO)フィルターを用いたものであれば、不純物を99.9%除去できるとうたっているサーバーを選ぶことができ、安全性の高いお水が飲めます。しかし、天然水の味を好む方には向いていません。
その理由は、お水の美味しさは水質やミネラルの影響を受けやすいためです。一方で、ボトル型ウォーターサーバーは天然水を原水とし、不純物を99.9%除去したRO水を選択できるため、安全性とお水本来の味を楽しむことができます。
契約期間が長い場合がある
水道直結型のウォーターサーバーは、サーバーレンタル代で利益を上げるビジネスモデルです。月々のレンタル代を割安にする代わりに、契約期間が最大5年と長いサーバーがあります。
たとえば、契約期間が5年に設定されているような場合は、契約期間内に解約すると解約料が発生します。長く使うほど解約料が減少する仕組みで、1年未満の解約では5万円の解約料がかかる場合があるため注意してください。
浄水型(水道直結)ウォーターサーバー導入後に後悔したポイント
使い始めてから場所が合わないことに気づいた
水道直結型のウォーターサーバーは、水道とホースを繋いで設置するため、設置場所が合わない場合は、再度工事が発生してしまいます。しかし、使いやすさはサーバーを設置してみないとわからないものです。
すでにサーバー設置経験がある方なら迷いませんが、初めての方は特に注意してください。
想定よりもランニングコストがかかる
水道直結型のウォーターサーバーは、フィルター交換や電気代に注意が必要です。月々のレンタル代とは別にフィルター代がかかるかどうか、また月々の電気代についても事前に確認しましょう。
特に割高になりやすいのは、お水の使用量が少ない家庭です。一人暮らしで在宅時間が少ない場合や、出張で長期不在になりやすい方は注意してください。
お水の使用が少ない場合や、月によってお水の使用量が変わる場合は、月々のレンタル代が無料のサーバーを選ぶと良いでしょう。ボトル型ウォーターサーバーなら、サーバーが無料で、水ボトルの配達ノルマがないタイプも選べます。
味が期待外れだった
天然水の味わいを求める方は、水道水を原水とする水道直結型のウォーターサーバーでは、お水の味わいが物足りないと感じる可能性があります。味が心配なときは、ショッピングモールなどで不定期開催されるイベントで事前の試飲がおすすめです。
災害時に使えない点に気づいた
水道直結型のウォーターサーバーを利用する方の中には、「災害時に使えず、結局ペットボトルのお水を購入した」という声があります。水道直結のため、断水時には使用できない点に注意してください。
また、停電時でもお水は出ますが、常温のみの供給となります。
解約時に違約金が発生した
水道直結型のウォーターサーバーに限らず、多くのサーバーには契約期間が決められており、期間前に解約すると違約金が発生します。特に注意が必要なのは、引っ越しする可能性がある場合で、単身赴任や転勤が多い方は注意してください。
(まとめ)浄水型(水道直結)ウォーターサーバーのデメリットを調査!後悔した人のポイントは?
設置場所の制約やフィルター交換の手間がデメリットとして挙げられます
水道直結型のウォーターサーバーは、水道水を使うのが特徴です。そのため、ボトル交換が不要で置き場所に困らないなど、魅力的なメリットがあります。
一方で、工事の必要性や置き場所の制約、備蓄水として向いておらず、フィルター交換の手間がある点がデメリットです。また、契約期間を短くしたいときや、お水の味に強いこだわりがある方には向いていない可能性があります。
ウォーターサーバー選びで失敗しないために、水道直結型のウォーターサーバーのメリットとデメリットを十分に比較し、自分に合ったサーバーを選びましょう。