「水の種類」「設置タイプ」「機能・メンテナンス」「費用・契約条件」を基準に選びましょう

ウォーターサーバーを選びたいと思っても、「何を基準に選べばいいのか分からない」「種類が多すぎて比較できない」と感じる方は少なくありません。水の種類や設置タイプ、機能、費用など、検討すべき項目が多く、最初の判断を誤ると「思っていた使い方と違った」「コストが想定以上だった」と後悔してしまうこともあります。

そこで本記事では、ウォーターサーバー初心者でも失敗しにくいよう、選び方の基準を“判断ステップ”に沿って整理します。水の種類や設置タイプといった基本から、機能・メンテナンス、費用や契約条件まで順番に解説し、赤ちゃんがいる家庭・家族利用・オフィス利用といった目的別の選び方も紹介します。

ウォーターサーバー選びで失敗しないための考え方

ウォーターサーバーを選ぶ際に多くの方が悩むのが、「何を基準に選べばよいのか分からない」という点です。メーカーごとに水の種類や機能、料金体系が異なるため、いきなり比較しようとすると判断が難しくなりがちです。

失敗を防ぐためには、最初から細かなスペックを比較するのではなく、自分の生活スタイルに合った判断軸を整理したうえで、段階的に選んでいくことが重要です。ウォーターサーバーは一度契約すると一定期間使い続けることになるため、導入前に「どのポイントを重視すべきか」を明確にしておく必要があります。

まずは「誰が・どれくらい使うのか」「どのような目的で使いたいのか」を整理し、そのうえで水の種類や設置タイプ、機能や費用を順番に検討していくと、自分に合った1台を選びやすくなります。

まず「誰が・どれくらい使うか」を整理する

ウォーターサーバー選びの出発点は、使用する人数や利用シーンを明確にすることです。一人暮らしなのか、家族で使うのか、赤ちゃんがいる家庭なのか、あるいはオフィスでの利用なのかによって、適したサーバーの条件は大きく変わります。

例えば、一人暮らしの場合は設置スペースやコストを重視する必要がありますし、家族が多い場合は水の消費量やボトル容量が重要になります。赤ちゃんがいる家庭では、水の安全性やチャイルドロック機能が欠かせません。オフィス利用であれば、耐久性やメンテナンスのしやすさもポイントになります。

このように、利用人数と使い方を整理することで、選ぶべき方向性が自然と絞られていきます。

最初に決めるべき4つの判断軸

ウォーターサーバー選びでは、次の4つの判断軸を順番に考えていくのがおすすめです。

1つ目は「水の種類」です。天然水・RO水・水道水(浄水型)といった違いによって、安全性や味、コストが異なります。2つ目は「設置タイプ」で、床置き型か卓上型かによって、設置場所や使い勝手が変わります。


3つ目は「機能・メンテナンス面」で、省エネ機能やチャイルドロック、自動クリーン機能の有無が日常の使いやすさに影響します。4つ目は「費用」で、初期費用だけでなく、月々の水代や電気代、契約条件まで含めて考える必要があります。

この4点を順に確認していくことで、「何となく選んで後悔する」という失敗を避けやすくなります。

STEP1:水の種類で選ぶ(天然水・RO水・水道水)

ウォーターサーバーを選ぶ際、最初に確認したいのが「水の種類」です。水の種類によって、安全性や味、コスト、使い勝手が大きく異なります。代表的なものとして、天然水、RO水、水道水(浄水型)の3種類があります。

天然水の特徴と向いている人

天然水は、特定の水源から採水された地下水や湧水を原水とし、必要最小限の処理を施したお水です。水源地によって含まれるミネラル成分が異なるため、味わいに個性があるのが特徴です。

お水の味にこだわりたい方や、自然由来のミネラルを楽しみたい方には向いています。一方で、水源地からの配送となるため、RO水と比べると水代がやや高くなる傾向があります。

RO水の特徴と向いている人

RO水は、逆浸透膜(RO膜)と呼ばれる高性能フィルターを使って、不純物やウイルス、細菌、化学物質などを可能な限り除去したお水です。原水は水道水や地下水などさまざまですが、ろ過後は無味無臭に近い安定した水質になります。

水質の安全性を重視したい方や、赤ちゃんのミルク作り、料理にも使いたい家庭に向いています。天然水に比べてコストを抑えやすい点も特徴です。

水道水(浄水型)の特徴と注意点

水道水を利用する浄水型ウォーターサーバーは、自宅の水道水をろ過して使用します。塩素やカルキ臭を除去する仕組みがあるため、安心して飲用できます。

浄水型には、水道と直接つなぐ「水道直結式」と、タンクに水を補充する「水道補充式」があります。水を購入する必要がないためランニングコストを抑えやすい反面、フィルター交換などの管理が必要になる点には注意が必要です。

⇒軟水と硬水の使い分け方に関する記事はこちら

STEP2:設置タイプで選ぶ(床置き型・卓上型)

水の種類を決めたら、次に確認したいのが設置タイプです。設置場所や生活動線に合わないサーバーを選ぶと、使いにくさにつながります。

床置き型が向いている家庭

床置き型ウォーターサーバーは、本体が大きく水の容量も多いため、家族での利用や使用頻度が高い家庭に向いています。本体が重く安定感があるため、転倒リスクが低い点も特徴です。

一方で、設置にはある程度のスペースが必要となるため、事前に設置場所を確保しておく必要があります。

卓上型が向いている家庭

卓上型ウォーターサーバーは、コンパクトサイズで省スペースに設置できる点が魅力です。一人暮らしや、設置場所が限られている家庭に向いています。

ただし、水ボトルの容量が小さいため、交換頻度が高くなりやすい点や、安定した台の上に設置する必要がある点には注意が必要です。

設置場所で失敗しやすいポイント

ウォーターサーバーは一度設置すると移動が面倒なため、動線やコンセントの位置、周囲のスペースを考慮して設置場所を決めることが大切です。特に床置き型の場合は、扉の開閉や通行の邪魔にならないかも確認しておきましょう。

⇒水ボトルの種類に関する記事はこちら

STEP3:機能・メンテナンスで選ぶ

水の種類や設置タイプを絞り込んだあとは、日常的な使いやすさに直結する「機能」と「メンテナンス面」を確認しましょう。ここを軽視すると、導入後に「思ったより不便」「手入れが面倒」と感じやすくなります。

最低限チェックしたい基本機能

ウォーターサーバーでまず確認したいのが、省エネ機能です。温水を常に一定温度に保つため、何も対策がないと電気代がかさみやすくなります。エコモードや自動スリープ機能が搭載されているタイプであれば、使用しない時間帯の消費電力を抑えられます。

次に重要なのがチャイルドロック機能です。小さな子どもがいる家庭では、温水による火傷防止の観点から必須といえます。製品によってロック方式は異なるため、温水だけでなく冷水にもロックがかかるかを確認しておくと安心です。

あると便利な追加機能

基本機能に加えて、あると便利なのが自動クリーン機能です。ウォーターサーバー内部の水は塩素を含まないため、衛生面が気になる方も多いでしょう。熱水循環やUV除菌などの自動クリーン機能があれば、内部を清潔に保ちやすくなります。

そのほか、再加熱機能や温度調整機能があれば、カップ麺やコーヒー、赤ちゃんのミルク作りなど、用途に応じた使い分けが可能です。集合住宅での利用が多い場合は、動作音を抑えた静音設計かどうかもチェックしておくと安心です。

メンテナンスで差が出るポイント

自動クリーン機能があっても、給水口や水受け皿など外部パーツの手入れは必要です。取り外して洗いやすい構造かどうかは、日々の負担を左右します。

また、メーカーによっては定期的な内部メンテナンスや部品交換を行っている場合があります。無料か有料か、どの程度の頻度で実施されるのかを事前に確認しておくと、長期利用でも安心です。

⇒ウォーターサーバーのメンテナンス方法に関する記事はこちら

STEP4:費用・契約条件で選ぶ

最後に確認したいのが、費用と契約条件です。ウォーターサーバーは月々の支払いが発生するため、トータルコストを把握しておくことが重要です。

初期費用・ランニングコストの目安

ウォーターサーバーにかかる費用は、主にサーバーレンタル料、水ボトル代、電気代で構成されます。サーバー本体は無料レンタルできるケースもありますが、一定の利用条件が設定されていることもあるため注意が必要です。

水ボトル代は、月24Lで約2,500円前後、48Lで約5,000円前後が目安とされ、電気代は省エネ機能付きで月500〜1,000円程度が一般的です。利用人数によって月額費用は変わるため、無理なく続けられる水量を想定しておきましょう。

解約金・最低契約期間の注意点

多くのウォーターサーバーには最低契約期間が設定されており、期間内に解約すると解約金が発生します。解約金の相場は1万円〜3万円程度で、契約年数によって金額が変わる場合もあります。

引っ越しやライフスタイルの変化を考慮し、契約期間や解約条件を事前に確認しておくことが重要です。

注文ノルマの有無も要チェック

メーカーによっては、毎月一定量の水を注文する「注文ノルマ」が設定されている場合があります。家族が多く水の消費量が多い家庭では問題になりにくいものの、一人暮らしでは水が余ってしまう原因になりがちです。

注文数の調整や配送スキップが可能かどうかも含めて確認しておくと、無駄な出費を防げます。

⇒ウォーターサーバーの消費電力に関する記事はこちら

【目的別】ウォーターサーバーの選び方まとめ

ここまでで、水の種類・設置タイプ・機能・費用といった判断軸を整理してきました。最後に、代表的な利用シーンごとに「どのポイントを重視すべきか」を整理します。自分の状況に近いケースを確認することで、選ぶべきウォーターサーバー像がより明確になります。

赤ちゃんがいる家庭の場合

赤ちゃんがいる家庭では、ウォーターサーバーの水の安全性と安全機能が最優先となります。ミルク作りや離乳食に使うことを考えると、不純物を可能な限り除去したRO水は安心感が高い選択肢です。水質が安定しているため、日常的に使いやすい点もメリットといえます。

設置タイプは、安定性の高い床置き型が向いています。赤ちゃんが成長して動き回るようになると、転倒リスクは無視できません。重量があり、しっかり設置できるタイプを選ぶことで安全性が高まります。

また、温水による火傷を防ぐため、チャイルドロック機能は必須です。温水だけでなく冷水にもロックがかかるタイプであれば、より安心して使用できます。

家族で使う場合(人数の多い家庭)

家族で利用する場合は、水の消費量とコストのバランスが重要になります。飲料水だけでなく、料理やお茶、コーヒーなど日常的に使用する場面が増えるため、容量の大きい水ボトルに対応したサーバーが便利です。

設置タイプは床置き型が主流となり、ボトル交換の頻度を抑えられる点もメリットです。あわせて、省エネ機能やエコモードが搭載されているかを確認することで、電気代の負担を抑えやすくなります。

水代はメーカーごとに差があるため、長期利用を前提に、水ボトルの価格と注文条件を比較しておくと、家計への負担を抑えやすくなります。

オフィス・職場で利用する場合

オフィス利用では、使用頻度の高さと管理のしやすさがポイントになります。社員数が多い場合は水の消費量も増えるため、大容量対応のサーバーを選ぶと安心です。設置スペースに制約がある場合は、スリムタイプや省スペース設計のモデルが適しています。

また、従業員が日常的に使う設備であるため、衛生管理の負担を減らすことも重要です。自動クリーン機能が搭載されていれば、こまめな清掃の手間を減らしつつ、清潔な状態を保ちやすくなります。

コーヒーやお茶の利用が多い職場では、再加熱機能やコーヒーメーカー一体型のサーバーを選ぶことで、業務効率の向上にもつながります。

⇒赤ちゃん・乳児に必要な水分量に関する記事はこちら

ウォーターサーバー選びでよくある質問(Q&A)

ウォーターサーバーを初めて検討する方から、よく寄せられる疑問をまとめました。細かな不安や迷いをここで解消しておきましょう。

Q1. 初心者は何を一番重視して選べばいいですか?

A. まずは「水の種類」と「設置タイプ」を優先して考えるのがおすすめです。水の安全性や味、設置スペースとの相性は後から変えにくいため、最初に整理しておくことで失敗を防ぎやすくなります。そのうえで、機能や費用を比較していくと判断しやすくなります。

Q2. ウォーターサーバーの電気代は高くなりませんか?

A. 省エネ機能が搭載されている機種であれば、月500〜1,000円程度が一般的です。エコモードや自動スリープ機能を活用することで、無理なく電気代を抑えることができます。

Q3. 賃貸住宅でも設置できますか?

A. 多くのウォーターサーバーは賃貸住宅でも設置可能です。工事不要の床置き型や卓上型であれば、原状回復の心配もほとんどありません。水道直結型を検討する場合は、事前に設置条件を確認しておきましょう。

Q4. 水が余ったり、足りなくなったりしませんか?

A. 注文ノルマや配送頻度はメーカーによって異なります。配送スキップや本数変更ができるサービスを選べば、水が余るリスクを抑えられます。利用人数に合った水量を想定して契約することが大切です。

Q5. 途中で解約したくなった場合はどうなりますか?

A:多くの場合、最低契約期間内の解約には解約金が発生します。金額や条件はメーカーごとに異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。ライフスタイルの変化が見込まれる場合は、契約期間が短いプランを選ぶと安心です。

(まとめ)ウォーターサーバーの選び方|初心者でも失敗しない基準と判断ステップ

「水の種類」「設置タイプ」「機能・メンテナンス」「費用・契約条件」を基準に選びましょう

ウォーターサーバー選びで後悔しないためには、最初から細かなスペックを比較するのではなく、判断する順番を意識することが重要です。まずは、誰がどのように使うのかを整理し、「水の種類」「設置タイプ」「機能・メンテナンス」「費用・契約条件」という4つの軸で段階的に検討していくことで、自分に合ったサーバー像が明確になります。

赤ちゃんがいる家庭では水の安全性とチャイルドロック、家族で使う場合は水量とコストのバランス、オフィス利用では管理のしやすさと機能性が重要になります。それぞれの目的に応じて重視すべきポイントは異なりますが、基本となる考え方は共通です。

長く使う設備だからこそ、契約条件やランニングコストまで含めて総合的に判断し、自分のライフスタイルに無理なく合うウォーターサーバーを選びましょう。