「水の種類」「設置タイプ」「機能面」「メンテナンスのしやすさ」を基準に選ぶのがオススメです

ウォーターサーバーを設置したいと考えていても、基準となる選び方がわからない方も少なくありません。ひと口にウォーターサーバーと言っても、お水の種類やサイズ、機能やメンテナンスなどのしやすさがメーカーによって異なります。

また、日常的に使用するうえで、家計のことも考慮し、月にどの位のコストがかかるかも事前に知っておく必要があります。ここでは、ウォーターサーバーの選び方を紹介します。

自分のライフスタイルにマッチした使い勝手の良いウォーターサーバーが選べるように、ポイントを一つずつ押さえていきましょう。

天然水?RO水?まずは「水の種類」を確認

ウォーターサーバーを選ぶ際は、お水の種類を見ておく必要があります。お水の種類には天然水とRO水、水道水があります。それぞれの特徴を理解しましょう。

天然水

天然水は、一定の範囲内において指定された水源から採水したお水のことです。天然水の水地は井戸水や自然に湧き出る湧水、地下水を汲み取ったミネラルを含む鉱水、河川敷などの下を流れる伏流水が挙げられます。

それぞれの水源地によっては、ミネラルウォーターのようにミネラル分を含むお水もあります。また、水源地によって含有するミネラル量も異なるため、採取された地域によってお水の味が異なるのも特徴です。

RO水

RO水は、逆浸透膜(RO膜)でろ過したお水です。一般的なフィルターでは取り除けないイオンや細菌、ウイルス、化学物質や不純物を可能な限り除去できます。

RO水はどんなお水からでも作れます。無味無臭なのでそのまま飲んでも美味しいですが、料理にも使いやすいでしょう。

水道水

お水を買わずに、自宅の水道水を利用する浄化型ウォーターサーバーもあります。このウォーターサーバーは塩素・カルキなどを取り除くシステムがあるため、安心して飲めます。

水道水を利用したウォーターサーバーは2種類あり、「水道直結式浄水型」と「水道補充式浄水型」です。

  • 水道直結式浄水型

自宅の水道にサーバーをつなげて水道水を使う浄水型サーバーです。設置には工事が必要ですが、自宅の水道と直接つながっているためサーバーのボトルに水を継ぎ足す必要がありません。

また、ボトルの残量も気にしなくて良いので、手軽に使えます。

  • 水道補充式浄水型サーバー

サーバー本体にタンクが内蔵されており、水道水を補充して使う水道補充式浄水型サーバーです。工事が不要で、設置する場所も選びません。

ボトルを交換する手間もなく、自分が利用したい分だけお水を入れれば使えます。

⇒軟水と硬水の使い分け方に関する記事はこちら

「床置き型」と「卓上型」設置タイプは生活スタイルに合わせて選ぼう

ウォーターサーバーには設置する位置によっていくつかの種類があります。それぞれの特徴や違いなどを知っておくと役立ちます。

床置き型ウォーターサーバーの特徴

床置き型ウォーターサーバーは、床に設置して使います。お水の容量が多いので容器の交換回数が少なくて済みます。

また、サーバー本体が重いため安定感があり、転倒のリスクも低いです。デザイン性の高いものだと、インテリアとして使える場合もあるでしょう。

一方でどうしても場所をとるため、狭いスペースには設置しにくかったり重量感があって移動しにくかったりする一面もあります。

卓上ウォーターサーバーの特徴

卓上ウォーターサーバーは、テーブルのような卓上がサーバー設置場所となるタイプです。コンパクトサイズなので、部屋が狭くても設置しやすいです。

更に床置き型よりは軽量なため、移動しやすいのも特徴です。一方で、軽量とはいえ本体は7~15kgはあるので、土台がしっかりした場所を選ばないと、転倒するリスクがあります。

また、お水容器の容量が少なく容器の交換頻度が多いため、やや面倒だと感じることもあるでしょう。また床置き型よりお水の容量は少ないですが、かかる電気代はさほど変わりません。

「機能」や「メンテナンス面」のチェックもしておこう

ウォーターサーバーにはさまざまな機能が備わっており、主に5つの機能に分けられます。それぞれの機能の特徴をきちんと理解しておきましょう。

機能面でチェックしたいポイント

  • 省エネ機能

ウォーターサーバーは温水と冷水がいつでも使えるタイプが多いですが、温水温度を保つためには電力が必要となります。

しかし、省エネ機能付きであれば消費される電力量を最小限にまで抑えられるので、電気代の節約にも役立ちます。省エネ機能は主に、使用しない時は温水温度を下げておく「エコモード」、寝ている間に自動的にエコモードに切り替わる「自動スリープ機能」などです。

自動スリープ機能は照度センサーが装備されているタイプだと、部屋の明るさを感知して自動的に節電してくれるため、非常に便利です。

  • チャイルドロック

小さなお子さんがいる家庭ではウォーターサーバーを設置した際に、子供が誤ってもしくはいたずらで温水に触れてしまうと危険なのではと心配される方もいるでしょう。

しかし、ウォーターサーバーには子供の力ではコックがひねることが不可、ロック解除が難しいなど工夫を凝らしたチャイルドロック機能が備わっているものも多いです。

たとえば、「ボタンとレバーを同時に押す」、「2つのレバーをつまんで引き下げる」、「レバーを持ち上げながら押し込む」など、製品によってチャイルドロックのタイプは異なります。温水と冷水の両方のレバーにチャイルドロックが備わっているタイプもあるのでオススメです。

  • 自動クリーン機能

ウォーターサーバー内に循環しているお水は、水道水と違って塩素が含まれていません。給水口からの雑菌、空気中のホコリが侵入するといった可能性があるため、衛生面が気になる方もいるでしょう。

ウォーターサーバーには自動的に雑菌やホコリなどを排除してくれる自動クリーン機能が備わっているタイプが多いです。熱水を循環させる「熱殺菌機能」、紫外線を用いた「除菌機能」、ホコリを取り除く「高性能のフィルター」などが主な自動クリーン機能です。

ウォーターサーバー内を隅々までお手入れするのは難しいので、自動クリーン機能が備わっていれば安心して清潔なお水が使えます。

  • その他

他にも製品によってさまざまな機能が備わっており、たとえば温水温度や冷水温度を設定できる、温度設定機能が挙げられます。ぬるめのお湯を加熱して熱くする再加熱機能が備わったタイプもあります。

更にウォーターサーバーは内部のお水を加熱、冷却する際やお水を出す際にある程度の音が出てしまうものです。マンションやアパートなどでは、隣室や階下への騒音を気にする方もいるかもしれません。

しかし、静音設計がなされているタイプなら音が小さいため、気兼ねなく使えるでしょう。

メンテナンス面でチェックしたいポイント

自動クリーン機能が備わっているウォーターサーバーなら、内部のお水は清潔に保たれているため安心です。しかし、給水口や受け皿、水ボトルの差し込み口などはお水が溜まるため、衛生面からも週に1回程度拭く、洗うといったメンテナンスが必要です。

そのため、お手入れしやすいタイプを選ぶと楽で、メーカーによってはサーバーの内部の定期メンテナンスを行っている所もあります。

定期メンテナンスでは、パーツを解体して洗浄、消毒、消耗パーツを交換するといったメンテナンスが行われます。無料の場合もあれば有料の場合もあるので、メーカーに確認しておきましょう。

⇒ウォーターサーバーのメンテナンス方法に関する記事はこちら

「費用」や「デザイン」重視したいポイント別の選び方

ウォーターサーバーを選ぶ際には、コストやデザインも重要なポイントです。ポイントごとの選び方を抑えておきましょう。

初期費用・ランニングコスト

ウォーターサーバーにかかる初期費用は、まず本体費用が挙げられます。本体はレンタルできるケースが多く、サーバーレンタル料が月額で決まっている製品もあるでしょう。

また無料でレンタルできる場合もあります。ただし、無料の条件が決まっている可能性もあるため事前に確認しておきましょう。

なお、本体は購入できても高額なので、検討が必要です。他にも水ボトル代や電気代などのランニングコストもかかります。

メーカーによってコストは多少異なりますが、水ボトル代が月に24L約2,500円~48L約5,000円、電気代は月500円~1,000円位です。家族の人数によって月の平均トータルコストは変わります。

1人暮らしで約3,000円、2人暮らしでは約4,000円、子供1人の3人暮らしでは約5,700円、子供2人の4人暮らしでは約7,500円とされています。

デザイン

ウォーターサーバーと言っても、ボディがシャープでクールなデザイン、シンプルなデザイン、丸みを帯びたフォルムが可愛らしいデザインなどさまざまです。また、ホワイトやブラック、ブラウンなどカラーバリエーションも豊富です。

そのため、部屋のインテリアに合わせてデザインやカラーが選べ、選択肢が広がるでしょう。またシャープなボディ、コンパクトサイズのものなら場所を取らないので、スペースに余裕がない部屋でも設置しやすいでしょう。

配送料や配送頻度

水ボトルは空になったら交換する必要があります。交換用の水ボトルは配送される場合が多いです。

自社配送のため配送料は無料のメーカーが多いですが、遠方だと有料となるケースもあります。また、天然水は採取地が自宅から遠いと、別途配送料を請求されることもあるため注意しましょう。

水ボトルは定期配送されるため、多く頼みすぎると自宅で置き場所に困ることもあります。月の消費量を計算し、ボトルのストックが増えすぎないように注文しやすいメーカーを選ぶことも大事です。

⇒ウォーターサーバーの消費電力に関する記事はこちら

赤ちゃんがいる家庭には「RO水」がオススメ

赤ちゃんがいる家庭では、ミルクや離乳食作りなどでウォーターサーバーが重宝します。ここでは、赤ちゃんがいる家庭にオススメのウォーターサーバーについて紹介します。

赤ちゃんにはRO水が安心・安全

RO水は特殊なRO膜を使ってウイルスや雑菌、ホコリや不純物を除去したお水です。免疫力が弱い赤ちゃんにも安心して与えられます。

ウォーターサーバーを選ぶ際は、赤ちゃん用にRO水サーバーを提供しているメーカーがオススメです。

床置き型のウォーターサーバーがオススメ

赤ちゃんは動ける月齢になると、ハイハイや伝い歩きなどで動き回るため、重量のあるウォーターサーバーにぶつかって倒れてくると危険です。

そのため安定性が高く、衝撃を受けても倒れにくい床置きタイプのものがオススメです。また、お湯が出るコックを赤ちゃんが触ると、火傷するリスクがあります。

赤ちゃんがいる家庭でも安全にウォーターサーバーが使えるよう、チャイルドロック機能が備わったタイプを選びましょう。

⇒赤ちゃん・乳児に必要な水分量に関する記事はこちら

人数の多い家庭には「容量の大きい水ボトル」がオススメ

家族の人数が多い家庭でも、ウォーターサーバーがあると何かと便利です。では、大家族の家庭におけるウォーターサーバーの選び方を見ていきましょう。

購入する手間が省ける

大家族の家庭で家族全員がお水を使うとなると、月のお水消費量もかなり多くなります。ペットボトルのお水をその都度購入するのは、時間も労力もかかるでしょう。

まとめ買いをしても、保管場所に困ってしまうかもしれません。しかし、ウォーターサーバーを設置することで、そのような問題が解決できます。

ただ、ウォーターサーバーの利用人数が多いので、水ボトルも容量が少ないとすぐに不足してしまうかもしれません。大容量の水ボトルを提供しているメーカーのサーバーを選ぶと、ボトル交換や水ボトルの保管も効率的です。

水ボトルのコスパが良いメーカーがオススメ

家族の人数が多いとお水の消費量も増え、コスパが問題となります。水ボトルの値段はメーカーによって差があるため、より安いメーカーを選ぶとコスパもよく経済的でしょう。

また、ウォーターサーバーにかかるランニングコストとしては電気代が含まれます。省エネモード機能やエコモード機能などの節電機能が備わったタイプを選ぶとコストカットができます。

⇒水ボトルの種類に関する記事はこちら

オフィス利用には高機能なウォーターサーバーがオススメ

ウォーターサーバーはオフィスにあるととても便利です。オフィス用ウォーターサーバーの選び方のポイントを紹介していきます。

大容量のオフィス用ウォーターサーバーを選ぼう

社員数やオフィスの広さに合わせたサーバー選びが大事です。社員数が多いとその分お水の消費量も増えるので、大容量のサーバーが必要となってきます。

またオフィスのスペースに余裕がなければ、スリムタイプやコンパクトサイズのサーバーが適しているでしょう。

仕事に集中するにはクリーン機能をチェック

ウォーターサーバーはお水が内部を循環するため、こまめに掃除しないと雑菌が繁殖してしまいます。そうなると従業員がお手入れする手間がかかり、仕事の効率が下がってしまうでしょう。

自動クリーン機能が備わっているものならサーバー内を清潔に保ってくれるので、人の手によるメンテナンスは最小限で済みます。

コーヒーを飲む従業員が多いならコーヒーメーカー付きもオススメ

ウォーターサーバーはさまざまな使い方がありますが、コーヒーを飲むのに使われる場合も多いです。コーヒーを飲む社員が多いなら、サーバーに始めからコーヒーメーカー付いているタイプもオススメです。

わざわざお湯を使ってコーヒーを作らなくても、サーバーを設置するだけでコーヒーができてしまうので、社員が飲むのみならず急な来客時にも重宝するでしょう。

ウォーターサーバーを選ぶ際の「注意点」

ウォーターサーバーの選び方で、とくに注意しておきたいポイントがあります。知らずに契約すると後悔することにもなりかねないので、きちんと理解しておきましょう。

解約金の有無

ウォーターサーバーを契約したけど、解約したい場合もあるでしょう。メーカーによっては、解約時に10,000円~30,000円程の解約金を請求されることもあるため、事前に調べておく必要があります。

最低契約期間の有無

最低契約期間とはメーカーとの契約において、最短でもこの期間内は契約することを事前に定める期間のことです。最低契約期間を定めているメーカーも多く、契約期間内の解約だと解約金がかかります。

たとえば契約後1年以内の解約なら、解約金10,000円と定めているメーカーもあります。最低契約期間と解約金は各メーカーやプランによって違うため、確認しておきましょう

注文ノルマの有無

注文ノルマは、毎月最低でも決まった量の水ボトルを注文しなくてならないノルマのことです。大家族のようにお水の消費量が多い家庭なら使い切れるかもしれません。

しかし、1人暮らしだと水ボトルのストックがまだ多くあるのに、次の水ボトルが届いてしまい保管場所に困ることも考えられます。注文ノルマの有無も選ぶ際に注意しましょう。

(まとめ)ウォーターサーバーの選び方は?何を基準に選ぶ?

「水の種類」「設置タイプ」「機能面」「メンテナンスのしやすさ」を基準に選ぶのがオススメです

ウォーターサーバーはお水の種類で選べます。特定の水源から採取した天然水やRO膜で不純物を除去したRO水、水道水などがあります。中でも清浄性の高いRO水は、より安心できるでしょう。

また、サーバー内を清潔に保てる自動クリーン機能があれば面倒なお手入れは不要で、メーカーが行う定期的なメンテナンスを受けるだけで良いので効率的です。

ウォーターサーバーはサーバーレンタル料や水ボトル代、電気代などのトータルコストを考慮のうえ、経済的なものを選ぶようにしましょう。

そして契約時には解約金や最低契約期間、注文ノルマの有無などを確認しておきましょう。