水素水とは、水素分子を豊富に含んだ水のことです
この記事では、水素水とは何なのかやその効果、生成方法の違いについて解説します。最後まで読むことで、水素水の知識が深まり、美容や健康効果を最大限に引き出せる水素水を選べるようになります。
水素水選びで迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
水素水とは
水素水とは、水素分子(H₂)を溶け込ませたお水を指します。水素原子は(H)で、水素原子が2つくっついたものが水素分子(H₂)です。
簡単に言うと、水素分子の濃度を高めたものが水素水です。直径約1億分の1cmという水素分子は、その極めて小さな分子構造から、細胞の隅々まで浸透し、体内の活性酸素を除去する働きがあると期待されています。
活性酸素は、老化や生活習慣病の原因となるといわれており、水素水はこれらの予防に役立つ可能性が注目されています。
生成方法によりお水の性質が異なる
現段階で明確な定義や基準はないため、同じ「水素水」と表現されるお水でも性質が異なる点に注意が必要です。水素水の作り方には、電気分解で生成する方法、水素ガスを充填する方法、お水の化学反応で水素分子を発生させる方法の3つがあります。
お水に水素原子を溶け込ませると、最大で1.6 mg/L(ppm)が溶存します。しかし、お水に溶け込んだ水素は時間とともに抜けやすい性質があり、容器に入っている水素水はアルミパウチやアルミボトル等で水素を抜けにくくしているのが特徴です。
一方で、水素水をその場で生成させ、できたてを飲める水素水生成器の販売もあります。これには、スティック型や水道に接続して使用するタイプ、ウォーターサーバーが該当します。
水素水は生成後すぐに飲む必要がある
国民生活センターが市販の水素水商品を調査したところ、未開封のまま1か月保管すると、水素濃度がやや低下することがわかっています。この調査から、水素水は生成直後または開封後にすぐに飲む必要があることがわかります。
美容や健康目的で水素水を選ぶ場合は、水素濃度の表示をご確認ください。どの生成方法であっても、時間が経つと水素が抜けるので、すぐに飲む習慣をつけることが重要です。
水素水に期待できる効果
抗酸化作用
水素水を飲むことで期待できる効果のひとつが、抗酸化作用です。抗酸化作用とは、体内の活性酸素を抑制または減少させる働きのことです。
人は酸素を取り入れてエネルギーを生成しますが、同時に酸素が活性酸素を生み出し、細胞を傷つける原因にもなります。活性酸素は老化を促進し、動脈硬化などの病気を引き起こす原因となるため、抗酸化作用のある成分を摂取することが重要です。
水素水には、ヒドロキシルラジカルやペルオキシナイトライトを消去する作用があることが知られています。これらはいずれも酸化力が非常に高い物質で、細胞へダメージを与える原因になるため、水素水は体の酸化対策におすすめです。
水素水が注目されるようになったのも、この抗酸化作用を示すデータが提示されたからです。2007年「Nature Medicine」で、脳梗塞モデルの動物に水素ガスを吸入させたところ、虚血再灌流障害(脳や心臓など)の改善が確認されたという内容が掲載されました。
その後、動物を対象とする水素水の飲用研究が行われるようになり、動脈硬化やLDLコレステロールレベルの抑制、酸化ストレスの改善が報告された例もあります。
病気の予防
水素水を摂取して得られる抗酸化作用により、さまざまな病気予防に役立てられると注目されています。例えば、糖尿病、腎臓病、放射線障害、認知機能低下の改善に役立つ可能性があるとされています。
水素水の摂取によって、脂質代謝や糖代謝の改善が期待されることから、糖尿病予防としておすすめです。東京都健康長寿医療センターが、アテローム性動脈硬化症モデルマウスに高濃度水素水を飲用させた研究では、高脂肪食による細胞老化抑制が確認されました。
また、水素水は酸化ストレスでの腎障害予防や、放射線治療の際の酸化ストレス軽減効果も注目されています。さらに、水素水の飲用で脳内の酸化ストレスを軽減させ、認知機能の改善に寄与する可能性も期待されています。
安全性が高い
水素水がこれほどまで注目される理由のひとつが、副作用の報告例がないからです。動物実験ではこれまで重篤な副作用の報告がなく、他の抗酸化作用を持つ物質と比較しても、安全に美容や健康対策ができると考えられています。
厚生労働省が公開する抗酸化物質のページには、食物中の抗酸化物質の安全性に問題がないとされる一方で、高用量の抗酸化サプリメントの摂取には健康に害を及ぼす可能性があると記載されています。水素水は副作用リスクが少ないため、食品から得る抗酸化物質と同様に安心して使える点がメリットです。
水素水の作り方の違いと特徴
水素水の作り方は、3つあります。それぞれ異なる技術を用いており、特徴が異なるため、水素水の効果を得るため事前に情報を得ておきましょう。
電気分解法
電気分解法は、お水を電気分解により水素分子を発生させ、溶解させる方法です。市販されている水素水生成器の水道に取り付けるタイプ、ウォーターサーバーの水素生成器などが該当します。
電気分解法は家庭用生成器で広く採用されており、3種類の中でも高濃度の水素水が作れるのが特徴です。水素水を生成させたできたてを飲めるメリットもあります。
お水にプラスとマイナスの電気を流すと、+極には電解酸性水が生成され、-極は電解水素水が生成されます。この電解水素水を水素水の飲料水として用いており、アルカリイオン水となるのが特徴です。
アルカリイオン水はアルカリ性のお水のため、胃腸症状の改善に使われることがあります。ただし、腎臓に持病がある方、胃腸が未発達の赤ちゃんにアルカリイオン水を飲ませると体に負担をかけやすいため、避けたほうが良いでしょう。
水素ガス充填法
水素ガス充填法は、水素ガスを直接お水に溶解させる方法です。工場で大量に水素水を生成する際によく用いられており、大量生産に適しています。
お水に圧力をかけて水素を溶解させる方法のため、お水本来の味が楽しめる特徴があります。また電気分解法のようにアルカリ性にならず、中性に近いお水が飲めるのも特徴です。
ただし、水素ガスを充填する方法は、時間とともに水素が抜けやすい性質があります。そのため、市販の水素水にはアルミパウチ素材の容器が使われることが多く、開封後は早めに飲み切る必要があります。
最近では、水素ガスを充填するタイプの水素水サーバーも利用可能です。トーエルの高濃度水素水も水素ガス充填法を採用しており、最大4.1ppmの水素溶存量を実現しました。
マグネシウム触媒法
マグネシウム触媒法は、水中のマグネシウムが酸素と反応して水素を発生させる仕組みです。スティックタイプの水素水生成器などで使われています。
市販のスティックタイプ水素生成器を、耐圧性のあるペットボトルに一定時間入れておくと、水素水を生成できます。大掛かりな装置を設置する必要がないため、家庭で手軽に水素水を生成したい場合におすすめです。
ただし、スティックは半永久的に使えるわけではなく、1回使い切りや数か月ごとに交換が必要となります。容器入り水素水と比べると経済的ですが、水素水生成器や水素水サーバーと比べると、トータルのコストが高くなることや生成濃度が低くなる点に注意が必要です。
マグネシウム触媒法のメリットは、お水に触れている間は水素水が生成され続ける点です。持ち運びが可能な点もメリットで、オフィスや外出時でも水素水が楽しめる魅力があります。
水素水を飲むときの注意点
沸騰させない
水素水を沸かすと、水素が抜けてしまいます。沸騰時の気化で水素が抜けるため、加熱する調理に水素水は適していません。
水素水が冷たすぎる場合は、温水を加えて飲みやすい温度に調節してください。温かくする場合は、温水を加えても水素が抜けないよう、人肌程度の温度に調整しましょう。
また、水素水を直接温めたいときは、アルミパウチ容器入りの水素水が便利です。密閉されたアルミパウチ容器は水素が抜けにくく、沸騰させないよう注意しながら湯煎すれば、水素を保ちながら温めることができます
できるだけ早めに飲む
水素水に含まれる水素は、時間が経つと抜けてしまいます。容器に入った水素水であっても、長時間の放置は避けましょう。
国民生活センターが調査した内容によると、未開封の水素水容器を20度で1か月放置したところ、0.1~0.4 ppm程度の低下が確認されました。また、開封後に蓋を閉めて5時間放置すると30~60%まで、24時間後には10%程度まで低下しました。
すぐに水素水を飲みきれない場合は、水素水があふれる寸前まで空気を抜いてしっかり蓋を閉める方法がおすすめです。20度の室温で5時間後には90%、24時間後には70~90%の濃度を保つことができため、試してみると良いでしょう。
一方で、水素生成器の場合は、コップに水素水を移し替え、20度の室温で1時間放置すると、水素濃度が50~60%に低下しました。コップに水素水を移し替える方法では、アルミパウチのような密閉性がないため、すぐに飲み切る必要があります。
容器入りの水素水は製造日を確認する
容器入りの水素水は、製造日を確認し、できるだけ新しいものを購入しましょう。国民生活センターの調査によると、未開封のままでも1か月間放置すると、水素濃度が低下することがわかっているため、製造日が新しい商品を購入すると水素濃度が高い状態で飲むことができます。
また、粗悪な商品では、未開封の状態でもほぼ残っていないものもありました。これは水素生成に問題があったわけではなく、ペットボトル容器の密閉性が不足していたことが原因です。
容器入りの水素水は、アルミパウチ・アルミ缶・ペットボトルの3種類があります。アルミ素材の容器は溶け込んだ水素が逃げにくい特徴がありますが、完全に防げるわけではありません。
そのため、水素水はできたてをその場ですぐ飲むのが一番です。
(まとめ)水素水とは?その効果や精製方法を解説!
水素水は、美容や健康対策に注目されるお水です。アンチエイジングや病気予防に興味がある方なら、一度は水素水に注目したことがあるかもしれません。
しかし、水素水は濃度が保たれていなければ効果が半減する点に注意してください。生成方法や容器の種類、飲み方次第では、十分な水素を摂取できない場合があります。
この記事を通して水素水の知識を深め、美容や健康対策に役立つ水素水を選びましょ