寒天に含まれる食物繊維は、便秘改善に効果があると考えられます


寒天は日本で昔から使われてきた食材であり、和菓子にも使われてきました。原料として天草という紅藻類の粘液質から寒天は作られ、これは海藻であり海藻が原料になっています。寒天は、水で戻してゼリーにして食べる食べ方が普通でしょう。

また、牛や豚の骨などから得たコラーゲンが原料のデンプンから作られるのがゼラチンで、食感などは似ていますが、異なる食べ物です。この寒天は昔から健康に良いと言われており、便秘解消にも効果が期待されます。

寒天に含まれる食物繊維で便秘解消は目指せます

寒天はほとんどが食物繊維でできており、これは胃で消化されず吸収されない成分です。そのためにカロリーがほとんどなく、この食物繊維が便秘解消に効果をもたらします。

食物繊維はそのまま胃を通過し腸に届き、便の量を増やして腸を刺激し、水分を吸収して便を軟らかくするので、排便を促します。

そもそも寒天とは?

寒天の原料は、天草やオゴノリなどの海藻類です。原料を天日干しして異物を取り除き、洗浄してあく抜きを行ってから煮込みます。煮汁をろ過して容器に移し、冷やし固める工程を経て作られています。また食物繊維が豊富に含有している点が寒天の大きな特徴です。

8割が食物繊維でできている寒天は、さまざまな食材の中でも食物繊維はダントツの含有量を誇ります。水溶性と不溶性の2種類の食物繊維がありますが、寒天は両方を含むことでも有名です。

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寒天には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらも含まれています

寒天には食物繊維が含まれるので、便秘にもおすすめです。しかし寒天は水分を吸収して膨らむ性質も持っており、食べ過ぎには注意です。寒天をアレンジすれば、さらに便秘改善効果を高められるでしょう。

寒天には食物繊維が含まれます

寒天は、その80%が食物繊維でできており、この食物繊維が便秘に効果があります。食物繊維は1日20g程度摂取すべきと言われますが、寒天は100gあたりおよそ74gも含まれます。

このために、少し寒天を食べるだけでも、1日の必要量を補えるのです。ただ寒天は、水で戻すような使い方をすれば、1度に数グラムしか使わず、それほど沢山食物繊維は摂取できません。

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、寒天にはこの2つが含まれます。水溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収し、便を軟らかくしてくれるのです。不溶性食物繊維は、腸の中で便の一部となって、便の量を増やして、腸を刺激して排便を促します。

このような効果があり、相乗的に便秘を改善できるでしょう。多くの方は、1日5gぐらい食物繊維が不足していると言われているので、寒天だと6g程度摂取すると、不足分を補えます。粉寒天を使うと、手軽であり食事に取り入れて、摂取しやすいです。

便秘解消以外に見られる健康効果

食物繊維は胃の中で水分を含むと大きく膨らみます。寒天は食物繊維量の多さにより満腹感を得やすく、食べ過ぎ予防にも効果的です。

さらに寒天はノンカロリーなのでダイエット中の方にもおすすめです。間食に寒天を使ったおやつを取り入れるなどすれば、カロリーコントロールに役立ちます。

寒天は植物性なので誰でも手軽に摂取しやすいと言えるでしょう。また、腸内で膨らんだ寒天は糖の吸収を遅らせます。そのため血糖値の急激な上昇を抑え、血圧を下げるのにも効果的です。

そして食物繊維は体内の脂肪を吸着し、排出してくれます。コレステロールが原料の胆汁酸が腸壁から再吸収されるのを防ぎます。その結果コレステロール値を下げる効果があると言われているのです。

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寒天は寒天ゼリーにすると食べやすく、レシピの種類も豊富です

寒天をあまり食べたことがない方であれば、まずは寒天ゼリーにして食べてみましょう。

作り方は簡単で、寒天に沸騰したお湯を加えて混ぜて冷やして固めれば出来上がりです。粉寒天でも棒寒天でも、どのような寒天でも水さえあれば出来上がります。冷蔵庫で冷やして、十分に固まったら、そのまま食べやすい大きさにカットして、食べてみましょう。

ただ水だけで作った寒天は、何も味がしないので、毎日食べるのは飽きるかもしれません。そのような場合は、寒天に蜂蜜や黒蜜、粉砂糖などを掛けて、味を付けて食べても構いません。または中にカットフルーツを入れてみる、水の代わりにオレンジジュースなどを使う、牛乳で固めるなど、いくつもアレンジができます。

寒天のレシピを工夫して、飽きない工夫をしてみましょう。寒天にりんごやオレンジジュースを使って固めて、冷凍庫で冷やし、シャーベットにして食べても美味しいです。

ヨーグルトと混ぜると便秘にさらに効果的

寒天を使うならば、一工夫して、便秘への効果を高めてみましょう。水の代わりにヨーグルトを使い寒天ゼリーにします。寒天1に対しヨーグルト9の割合で用意し、両方を混ぜてゼリーにします。出来上がったら、黒蜜や蜂蜜を掛けて味を付ける、またはサラダなどに和えても美味しいです。

乳酸菌は熱に弱いですが、死滅しても効果は変わらないので、寒天にヨーグルトを加えるなら、加熱して調理しても構いません。寒天の食物繊維とヨーグルトの乳酸菌で相乗効果を得られ、便秘解消へさらに効果が期待できるでしょう。

寒天ゼリーの作り方

簡単に作れるオレンジ寒天ゼリーを作ってみましょう。100%のオレンジジュースを200mlと粉末寒天5gを鍋に入れて沸騰させます。焦げないように混ぜながら2分ほど煮て、300mlのジュースをさらに入れて火を止めます。容器に入れて冷蔵庫で1時間ほど冷やして固めます。

ジュースを使わない場合は、オリゴ糖を入れてお水でもダイエット効果が得やすいでしょう。

ダイエット中におすすめの寒天ご飯とは?

寒天はご飯に混ぜることで白米の量を減らし、満腹感を得られるのでダイエットにも適しています。簡単にできるので作ってみましょう。

寒天ご飯の炊き方

棒寒天半分を水に15分ほど付けます。しっかり絞って水気を切り適度な大きさにちぎります。米2合を洗って水400cc、先ほどの寒天と共に炊飯器に入れて炊けば完成です。寒天は無味無臭の食品なので料理の味も損ないません。

ややつるっとした食感があるのみで違和感なく食べられます。寒天ご飯は糖質オフや血糖値の急激な上昇を防ぐなどのダイエット効果も期待できます。

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寒天の摂取量を守り、食べ過ぎには注意しましょう


寒天は、食べるとお腹の中で膨らみ、満腹感を得られます。ただいくら便秘に良いからと言っても、食べ過ぎると胃の中で膨らみ、食欲を無くして、場合によっては食事を十分に摂れません。また間違っても、粉寒天をそのまま食べるようなことは、止めましょう。お腹の中で水分を吸収し、胃の中の水分を無くしてしまいます。

寒天に含まれる食物繊維は、熱を加えても便秘に対する効果は変化しないので、熱を加えて温めて食べても、冷やして食べても、どちらでも構いません。粉寒天を水で戻せば、寒天ゼリーの出来上がりであり、手軽に食べられます。

寒天は一度ゼリーなどとして作ってしまえば、保存もできるので、食べやすい食べ物でしょう。一度に沢山作っておき、毎日少しずつ食べてもよいでしょう。デザートなどとして食べると、良いかもしれません。

(まとめ)寒天は便秘に効果がありますか?

寒天に含まれる食物繊維は、便秘改善に効果があると考えられます

 

寒天は天草などの海藻が原料で、食物繊維が豊富なのが特徴です。便秘改善にも効果的で、水分を含むと膨らむ性質があります。ノンカロリーなので食事に取り入れることで食べ過ぎを防ぐことができ、ダイエットにも効果的です。また、血糖値の抑制やコレステロール値の低下、血圧を下げるなどの健康効果も期待できます。

ジュースなどを使った寒天ゼリーや、お米と一緒に炊く寒天ご飯などは簡単に調理できて糖質オフ、便秘改善などの効果をもたらすのでおすすめです。ただ食べ過ぎるとお腹を壊す、栄養が不足する場合もあるので気を付けましょう。

<参考文献>