滑舌と水分不足は舌の動きに関係があります
慢性的な水分不足の状態になると、口腔内も乾燥します。
唾液由来の水分が減少するからです。
すると舌の動きも滑らかさが失われてしまいます。
結果的に滑舌が悪くなってしまうのです。
いわゆるろれつの回らない状態になります。
このような水分不足による滑舌の悪さは、老化現象の一つといわれています。
ちなみに口の中が乾燥してしまうと、口臭などもきつくなりますので自覚症状のある人は早めの対策を講じる必要があるでしょう。
口腔内の水分不足「ドライマウス」の人は多い
滑舌に悪影響を及ぼす口の中の渇きですが、ドライマウスと呼ばれます。
メディアでも広く取り上げられているので、名前だけなら聞いたこともあるかもしれません。
ドライマウスの患者数はおよそ800万人といわれています。
しかし欧米の研究によると、全体の1/4がドライマウスという論文もあるのです。
これを日本に当てはめると3000万人いると推察されています。
滑舌対策はドライマウス対策!その方法は
滑舌の悪さの原因の一つにドライマウスがあります。
もし口の中がよく乾くのであれば、ドライマウスを発症している可能性があります。
ドライマウス対策として、具体的にどのようなことを行えばいいかについてみていきましょう。
基本中の基本は水分不足対策
ドライマウスは唾液の分泌不足によって起こります。
ということは、水分補給をすることが何よりも重要です。
唾液の中でも実に9割以上が水分によって構成されています。
もし水分摂取が不十分であれば、おのずと唾液の分泌量も減ってしまうのです。
ドライマウス対策をしたければ、水分をしっかり補うことが重要となってきます。
ちなみにどのような形で水分摂取すればよいのかというと、基本はお水で十分です。
そのほかには緑茶やウーロン茶でも水分補給できます。
ジュースはどうかというと、たしかに水分補給はできます。
しかしジュースには糖分が多く、カロリーオーバーになってしまう可能性が高いので、プラスマイナスで考えるとマイナスの方が大きいです。
ストレスをためすぎないようにすることも滑舌対策に
滑舌と水分不足の関係の中で、意外とカギを握る存在がストレスです。
実は私たちが日々分泌している唾液の中には、サラサラしたものとネバネバしたものとがあります。
通常はサラサラな唾液が出てくるのですが、極度に緊張した状況に陥るとネバネバした唾液が多く分泌されます。
仕事などで常に強いストレスにさらされると、サラサラ唾液が分泌しにくくなるでしょう。
その結果、口の中が渇いて水分不足の状況に陥りやすくなって、滑舌も悪くなってしまいます。
ですからストレスをできるだけためないように気をつけることも大事です。
ストレスフリーの生活を続けるのは現代社会ではなかなか難しいでしょう。
そこでリラックスできる時間を確保することです。
趣味に没頭できるような時間を作る、アロマテラピーをしてみる、マッサージする習慣をつけるなど、自分なりにリラックスできる方法を見出しましょう。
そうすれば唾液の分泌もスムーズになって、ドライマウスの症状を改善できるかもしれません。
食べ物をよく噛むことで水分不足対策を
ドライマウスの状況になると舌がうまく回らなくなって、滑舌も悪くなります。
このようなドライマウスにかかっている人を見てみると、食事の時にあまり噛まずにそのまま飲み込んでいるケースが多いといいます。
唾液は噛めば噛むほどどんどん出てくるのです。
多く噛むと脳が唾液を出すという指令を出しやすくなるためです。
ですからもし1口当たり2~3回ですぐに飲み込んでしまうのであれば、噛む回数を増やしてみることもドライマウス対策になります。
噛む回数については、歯科医の間でも判断の分かれるところがあります。
20回とか30回など見解が分かれますが、少なくても1口当たり10回以上は噛むように意識しましょう。
食べ物をよく噛むと口の中の水分不足対策にもなりますし、胃腸の負担を軽減できるメリットもあります。
多く噛むと満腹感を得やすくなるので、ダイエット効果も期待できます。
滑舌の悪さは水分不足以外にもあります
滑舌の悪さの原因の一つに、水分不足があります。
しかしそれ以外にも要因があって、意外と心理的なものが作用しているケースもあるのです。
人前で緊張する、不安に陥るなどの際に、言葉をうまく出せなくなる人は少なからず見られます。
緊張で早口になるなどして、結局聞いている側にうまく伝わっていないことがあるのです。
また人前で緊張して失敗した記憶があって、「自分は滑舌が悪いのだ」と思い込んでしまい、ますます悪い方に向かうこともありえます。
水分不足対策で滑舌対策を進めましょう
このように口内の水分不足であるドライマウスになると、滑舌の悪くなってしまうことがあります。
水分補給するだけでなく、食べ物を意識してよく噛む、ストレスをため込みすぎないようにするなどドライマウス対策を進めていきましょう。