便秘解消で紅茶による水分補給はおすすめできません


便秘対策として重要なのは、食生活の見直しです。便秘に効く食べ物・飲み物を意識して摂取することで症状を改善することも十分可能です。

便秘を何とかしたければ、水分補給を心がけることは大事です。しかし水分補給といっても紅茶を頻繁に飲むことで対処するのはお勧めできません。紅茶の中にはいろいろな成分が含まれています。それが便秘の症状をかえって悪化させてしまう恐れがあるからです。

水分補給したければ、そのほかの飲み物を摂取するように心がけましょう。

水分補給が十分でないと便秘になる理由

水分補給が十分できていないと、便から必要以上に水分がとられてしまってコロコロ硬い便になりかねません。

また水分が不十分だと、便を体外に排出する蠕動運動の動きも弱まってしまいます。すると宿便がどんどんたまって、便秘の症状を引き起こすのです。

便秘に悩んでいるのであれば、意識的に水分を摂取することが大事です。

紅茶だけで便秘解消できない理由は、カフェインやタンニン

便秘対策をするために水分補給をこまめに摂ることは大事です。しかし紅茶だけで対処する方法は、思っているような効果は期待できません。

その理由として紅茶には、カフェインやタンニンという成分が多く含まれるからです。

紅茶に含まれるカフェインの利尿作用

カフェインといわれると、コーヒーをイメージする人が多いかもしれません。しかしカフェインは紅茶をはじめとして、いろいろなお茶に含まれている成分でもあります。

カフェインと言えば眠気覚ましのイメージを持っている人もいるでしょうが、そのほかにもさまざまな作用があります。

カフェインの作用の中でも大きいのが利尿作用です。アルコールを摂取したときにトイレが近くなるでしょうが、それは利尿作用によるものです。

これと同じような働きがカフェインにはあります。つまり紅茶をたくさん摂取すると、排尿する量も増えてしまいます。

その結果、水分補給しているつもりがかえって脱水を進める形になりかねないのです。このため、かえって便秘の症状が悪化してしまう恐れがあります。

紅茶に含まれるタンニンが便秘を誘発

紅茶の中にはタンニンと呼ばれる成分も含まれています。タンニンとはポリフェノールの一種で、ゆずやカキなどにも含まれている成分です。

タンニンがなぜ便秘に良くないのか、それは収れん作用があるためです。タンニンを過剰摂取すると、腸粘膜のたんぱく質を減少させる作用が生じやすくなります。

通常私たちが食事をして、食べ物が腸に届くと腸管からたんぱく質が分泌されて、粘膜を形成します。この粘膜が形成されるとそれが周辺の筋肉に伝わって、蠕動運動という便を排出する動きが活発になります。

ところがタンニンをたくさん摂取すると収れん作用によって、腸粘膜を構成するたんぱく質と結合してしまいます。そうなると粘膜が薄くなってしまい、蠕動運動を鈍くなってしまうのです。

便を押し出す力が弱まって、逆に便秘の症状を悪化させかねません。実際下痢止め薬の中にはタンニンを配合しているものもみられるほどです。

便秘対策のためのお茶はノンカフェインがオススメ

では具体的にどのようなお茶を飲んで水分補給をすればいいか、それはノンカフェインでタンニンの含有量のあまり多くないものです。

例えば玄米茶などはこの条件を満たします。しかも食物繊維が豊富に含まれているので、有効な便秘解消対策ができるかもしれません。

食物繊維が便秘に効くという話を聞いたことがあるでしょう。食物繊維が便のかさを増してくれます。すると腸管を刺激して、蠕動運動が活発になります。

便を外に押し出そうとする働きが強くなるので、お通じが来やすくなるわけです。紅茶を絶対に飲んではいけないというわけではないです。

あまり頻繁に摂取しないこと、紅茶を飲んだ際には最後にコップ1杯のお水を飲むように心がければ大きなマイナスにはなりません。過剰摂取が便秘を悪化させるという意味です。

便秘を解消する水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違い

食物繊維の理想的な摂取量は成人男性が1日に20g以上、成人女性では18g以上とされています。

食物繊維が大腸内でビフィズス菌などを増やして腸内環境を整える働きも、便秘の解消に役立ちます。食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があるため、両方の食物繊維をバランスよく摂取するようにしてください。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維にはネバネバのタイプとサラサラしているタイプがあり、海藻類やこんにゃく、果物などに多く含まれています。水分に溶けやすく、胃や腸の中では水分に溶けてゼリー状に変化します。

水溶性食物繊維が水分を維持して便を軟らかくするため、便秘解消につながるでしょう。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は野菜、豆類、きのこ類などに多く含まれる食物繊維で、水分を吸収してふくらむ性質があります。胃や腸内で水分を吸収してふくらむと、便のかさが増し腸を刺激すると言われています。

増えた便によって腸が刺激され、排便が促されているのです。

便秘対策をするためには、1.5~2リットル程度の水分を摂取しよう


水分不足が慢性的に続くと便秘の原因となりますので、水分補給を意識的に行うことは大事です。では1日どのくらい水分を摂取すべきかですが、1.5~2リットル程度の水分を摂取するように心がけましょう。

ただし食べ物やみそ汁などの汁物にも水分は含まれているので、1.5~2リットルすべて飲み物で補う必要はないです。飲み物として摂取するのであれば、1日1リットルのラインをクリアするのをまずは目標にしてみるといいでしょう。

(まとめ)便秘対策の水分補給は紅茶でもいいの?

便秘解消で紅茶による水分補給はおすすめできません

便秘解消には、水分補給や便秘によい食べ物を摂取するといいと言われています。水分補給にはカフェインやタンニンなどの成分が入った紅茶よりも、ノンカフェインのお茶やお水などが適しています。

また、便秘には食物繊維を摂取するのがおすすめです。便秘対策のためには、適した飲み物で水分補給を行い、食物繊維を多く含む食品を意識して摂取するようにしてください。日常生活で飲み物と食べ物に気をつけるようにすると、便秘の改善につながるでしょう。