ピルの服用によって新陳代謝が低下することがあります


ピルは、妊娠回避や生理不順の改善などに活用されています。

ピルの具体的な種類によって、その構成成分や作用は少しずつ異なって来ますが、基本的にはエストロゲンとプロゲステロンという二つのホルモンがメインとなっています。

この二種類のホルモンを取り入れることで、体内を妊娠しているのと同じ状態にして、各種効果を狙っていくのがピルです。

ピルを服用することで、保水力が高まり、水分がうまく体外に排出されなくなり、新陳代謝が悪くなってしまうことが少なくありません。

ピルが持つ保水力が新陳代謝に影響を与えると考えられます

ピルの主成分として使用されているエストロゲンというホルモンは、保水力が高いことで知られています。

本来であれば排出されたはずの水分を、体内に蓄積していく働きがあるホルモンです。

しばしばピルでむくみが出ると言われるのは、エストロゲンの保水効果によって、体内の各所に水分が溜まった結果だと言えるでしょう。

保水が顕著になれば、新陳代謝のバランスも変わります。

ピルによる新陳代謝の変化には対応策があります

ピルによって新陳代謝が滞りがちになってしまうことはありますが、具体的にはどのように対策していけば良いのでしょうか?

低用量ピルに切り替えてみる方法

ピルによって発生してしまう新陳代謝の乱れを改善するためには、服用しているピル自体を見直してみる方法もあります。

よく推奨されるのは、低用量ピルに切り替えることです。

生理痛対策や生理不順の改善、妊娠の回避などそれぞれ服用理由は異なっていますが、必要最低限の効果が狙えれば、それ以上のホルモン摂取は基本的に必要ありません。

中用量ピルを使用している人は、ホルモン量の少ない低用量ピルに変更することで、新陳代謝への影響を減らしていくことが出来るでしょう。

中用量ピルに含まれている卵胞ホルモンは50マイクログラムですが、低用量ピルであれば、この量は50マイクログラム以下になります。

高容量ピルと呼ばれるものの場合は、卵胞ホルモンを50マイクログラム以上含んでいます。

含有ホルモン量が減ることで、保水力も低下し、新陳代謝も促しやすくなります。

マッサージやエクササイズで新陳代謝を促す方法

ピルに使用されているエストロゲンは、体内にナトリウムをたくさん貯蔵しようとする働きがあります。

ナトリウムは水分を蓄える性質がありますから、保水力が高まってしまうのはこのためです。

もちろん、保水力が高まることは、決して悪いことばかりではありません。

細胞が水分を持つことで、皮膚の老化を防止するなどのアンチエイジングに働きかけることも可能です。

もちろん、過剰になってしまえば新陳代謝の停滞を招き、むくみはもちろん、セルライトの原因になってしまう可能性もあるでしょう。

ピルを飲んでいるときは、血行代謝と水分代謝により積極的に働きかけることが重要です。

リンパの流れを意識したマッサージは、特に効果を発揮しやすいです。

体外に老廃物を排出するために、全身を温めながら行うと、より効果を得やすいでしょう。入浴中や風呂上りのように、全身の血液やリンパの流れが活発になっているタイミングがおすすめです。

また、ヨガやピラティスのような、身体にかける負担が少なく、かつ全身の新陳代謝促進に働きかけやすいエクササイズもおすすめです。

どうしても基礎代謝が低下しやすいですし、妊娠状態を作り出すピルは食欲が活性化しやすいため、医師的に代謝アップを促していくのが良いでしょう。

特定の栄養素を積極的に取り入れる方法

ピルによって新陳代謝が滞りがちなときは、特定の栄養素を意識的に取り入れていくことで、改善に向かわせることも可能です。

カリウムは、体内の塩分を排出する働きがあります。

保水力が高くなりすぎてしまうデメリットを上手に改善していくことが出来るでしょう。

食材であれば、豆類や海藻類、パセリやアボカド、にんにくなどがカリウムをたっぷり含んでいます。

血行促進作用があるビタミンEもおすすめです。

酸素や栄養素を体内の隅々までしっかり行き届かせてくれるため、ピルで滞りがちになってしまった新陳代謝を効率良くアップさせていくことが出来るでしょう。

魚介類やアーモンド、カボチャなどが、特にビタミンEを豊富に含んでいます。

同じく基礎代謝アップに効果的なクエン酸もおすすめです。

レモンやグレープフルーツ、キウイやイチゴ、お酢などに豊富に含まれています。

通常の食事で賄えるのは理想的ですが、適度にサプリメントの補助を入れていくのも簡単でおすすめです。

ピル服用による新陳代謝の悪化の対策として、お水を飲みましょう


「ピルを服用すると太る」としばしば言われやすいのは、新陳代謝に影響が出やすいのが一番の理由でしょう。

前述したように、エストロゲンの保水力が高いために、むくみやすくなってしまうのです。

過剰な水分が体に溜まってしまっているからと水分補給を控えてしまうかもしれませんが、新陳代謝を活発にしてむくみを解消するには良質な水分をとることが不可欠と言われています。

起床したとき、食事の前後、入浴前後と、普段からこまめに水分を摂るようにしましょう。

ピルによる新陳代謝への影響をコントロールしましょう

ピルは生理痛の緩和や生理不順の改善、妊娠の回避など様々なメリットが期待出来ますが、一方で新陳代謝への影響などのデメリットもあり得ます。

デメリットをうまく回避するためには、日々の生活の中から工夫していけるよう心がけましょう。