お酒を飲むと新陳代謝が下がってしまう
仕事の付き合いや、仲間たちとの楽しい飲み会、また1人でちびちびと飲むお酒など、1日の終わりに飲むお酒はおいしいものです。
お酒の場はストレス解消になったり、楽しい気分になったりといった効果があるものですが、実はお酒を飲んでいるときは新陳代謝が低下しているのです。
お酒を飲んだ次の日に体がむくんだり疲れが取れていなかったり、また胃腸の調子が悪くなったりといった現象は、新陳代謝がうまく行われなかったことによって起こるものです。
新陳代謝が下がるのはお酒の分解のとき
お酒を飲むと、体内に入ったアルコールを分解するために体が働きます。
アルコールを分解する際には肝臓の働きが不可欠で、その分解のときには肝臓がフル稼働します。
体の新陳代謝が低下するのはこのときです。
肝臓では急速にアルコールの分解が行われ、肝臓にかかる負担を軽減するために体内の他の機能が一時的に停滞するのです。
お酒と新陳代謝の関係性
お酒が好きな方にとっては、飲み会や1人酒は欠かせないものですが、これが新陳代謝を低下させる原因にもなり得ます。
お酒と新陳代謝との関係性とはどのようなものなのでしょうか。
そこには、体が一生懸命アルコールに対処しようとする仕組みがあります。
お酒を飲んだときに体の中で何が起こっている?
体内にお酒が入ったとき、体はお酒に含まれるアルコールを分解するための動きが始まります。
まず体内に入ったアルコールは、胃や小腸から血液に吸収されていきます。
そしてそれが肝臓に運ばれ、肝臓から分泌されるアルコール脱水素酵素によって、アセトアルデヒドとなります。
アセトアルデヒドは私たちの体にとって毒素であるため、酔ったときの頭痛や吐き気などの原因となります。
そのため、アセトアルデヒドは早急に分解される必要があり、分解によって酢酸になります。
酢酸になった状態では毒素ではなくなっており、そのまま血液中に取り込まれて水と二酸化炭素になります。
肝臓がアルコールを分解するには大きな負担がかかり、また肝臓がアルコールのすべてを分解できるわけではありません。
そのため、1度で分解できなかったアルコールは何度も体内を回ってまた肝臓に送られ、それでも処理できなかったものはそのまま尿などになって排出されます。
このように、体は大忙しでアルコールに対応しているのです。
フル稼働でアルコールを分解しても追いつかないとき
アルコールの分解には、主に肝臓がフル稼働して何段階かに分けて無害な物質に分解されます。
このときに肝臓にかかる負担は相当なものです。
そして、段階別の分解作業が追いつかなくなってしまうときもあるのです。
例えば、アルコールからアセトアルデヒドになったはいいものの、それ以降の処理が追い付かないときには、アセトアルデヒドの影響によって、翌日まで頭痛や吐き気、動機などを引きずることがあります。
これが二日酔いです。
つまり、肝臓がアルコールを処理する能力には限界があり、フル稼働をしても最後まで処理しきれず翌日まで残ってしまうというわけです。
それでも、肝臓は急速にアルコールを分解するように働き、それをサポートするように体の他の機能は一時的に停滞します。
新陳代謝の機能が低下するのもこのときであり、お酒を飲むと新陳代謝が落ちる理由はここにあります。
そのため、肝臓が働いている間は老廃物の排出などもうまく行われなくなり、体がむくんだり疲労物質が体から排出されにくくなったりします。
また、消化吸収などの活動も落ちてしまうため、胃腸の調子も悪くなってしまうのです。
途中でお水を飲むと効果的
お酒はどうしても肝臓をはじめとして体の機能に負担をかけてしまいます。
それを軽減させる方法としては、お酒とお酒の間にお水を飲むことです。
いわゆるチェイサーを挟むことで、体への負担をある程度抑えることができるのです。
お水を途中で飲むことによって、アルコールが体内に吸収される速度を遅くすることにつながります。
そのため、急激に肝臓にアルコールが運ばれることを防ぎ、ゆっくりと分解させることになるわけです。
また、お水を飲むことで停滞していた新陳代謝も復活させることができるため、むくみを防いだり疲れを残しにくくしたりと、お酒による不調を軽減することができます。
肝臓がめいっぱい働くときは新陳代謝が落ちる
アルコールの分解は、肝臓でしか行うことができません。
肝臓から分泌されるアルコール脱水素酵素、またアセトアルデヒド脱水素酵素が正常に働かなければ、アルコールは無害な状態にならないのです。
そのため、肝臓が分解活動を行っているときは、その他の機能を停滞させてまで肝臓の働きを援護しようとします。
お酒を飲むと新陳代謝が下がってしまうのは、肝臓がフル稼働で働いているためなのです。
飲み過ぎてしまうと、新陳代謝の低下により体の老化を促進させることにもなりかねません。
お水を挟みながら適量のお酒を楽しもう
体内にアルコールを入れることで体に負担はかかってしまいますが、適量を飲むこと、またチェイサーとしてお水を挟むことでその負担を軽減させられます。
こうした賢い飲み方をすれば、お酒は必ずしも害とはなりません。
飲み方を工夫して楽しくお酒を飲みましょう。