共通のメリットは水ボトルを買う必要がない点、デメリットは初期費用が高くなる点です
この記事では、水道水を使うウォーターサーバーの水道直結型・水道水補充型のメリット・デメリットを解説します。最適なウォーターサーバー選びにぜひ役立ててください。
目次
浄水型のウォーターサーバーは2種類ある
水道水を使ったウォーターサーバーには、水道直結型と水道水補充型の2種類があります。どちらもサーバー内部のフィルターでろ過し、水道水に含まれる残留塩素やウイルスなどを除去する仕組みです。
水道直結型は水栓とサーバーをホースで繋ぐのに対し、水道水補充型は自分で汲んだ水道水をサーバー内のタンクに補充する違いがあります。給水方法が異なるため、給水の手間や工事の必要性で比較すると選びやすくなります。
水道直結型は、自動給水のため給水の手間はありませんが取り付け工事が必要です。一方の水道水補充型は自分で水道水を補充する手間がありますが、工事の必要はありません。
どちらも従来のボトル型ウォーターサーバーのように水ボトルを買う必要がなく、サーバー代のみの定額制で、お水をたっぷり使用したい家庭に向いています。
水道直結型は給水の手間がないため、料理や飲料など幅広い用途に使いたい方におすすめです。水道水補充型は工事が不要でコンセントにさすだけで設置できるため、寝室など水栓から離れた場所に設置したい場合に向いています。
「水道直結型」ウォーターサーバーのメリット
水道直結型ウォーターサーバーは、給水の手間を減らしたい家庭に向いています。水道水補充型やボトル型と比べてどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく解説します。
手間がかからない
水道直結型ウォーターサーバーは、水栓とサーバーをホースで繋いで給水するタイプです。サーバー内のお水がなくなると、自動でタンク内に給水される仕組みのため、手間なく使用できるのがメリットです。
さらに水道水補充型のように水道水を汲んで補充する手間も、ボトル型のように水ボトルを交換する手間も、水道直結型にはありません。ボトル型で重い水ボトルの交換に負担を感じていた方が水道直結型に変えると、日常のストレスを軽減することができます。
安定した水質
水道直結型ウォーターサーバーは、サーバー内に高性能な浄水フィルターが設置されています。サーバーから出てくるお水は、浄水器を通過したおいしいお水になります。
採用されている浄水フィルターは、ROフィルター（逆浸透膜）と活性炭などを使用する2タイプです。ROフィルターは水道水に含まれる残留塩素などの不純物やミネラルを取り除くため、赤ちゃんがいる家庭でも安心して飲めるお水になります。
一方で、活性炭などを用いる浄水フィルターは、残留塩素やカビ臭を除去するのに最適です。どちらのフィルターでも温水と冷水が使えるのが特徴で、蛇口に取り付ける浄水器とは異なり、温水を活用できるメリットがあります。
スペースの節約
水道直結型ウォーターサーバーは、キッチンのシンク横やカウンターに置けるコンパクトな卓上タイプを選ぶことができます。サーバー内のタンクに水道水を溜める仕組みで、ボトル型のように水ボトルを保管するスペースを必要としません。
「水道直結型」ウォーターサーバーのデメリット
設置が複雑
水道直結型ウォーターサーバーは、水栓とサーバーをホースで繋ぐ工事が必要です。工事は費用がかかるのが一般的で、初期費用が高くなるデメリットがあります。
取り付けでは、水栓に取り付けられるかの確認と、水栓と接続する工事の2つの手間が必要です。特に1人暮らしや共働き家庭では、設置のためにスケジュール調節をしなければならず、設置工事は1時間程度必要な点に注意してください。
また、水栓とサーバーをホースで繋ぐことから、水道設備から離れた場所に設置するのは難しくなります。長いホースを使えば対応可能ですが、ホースが邪魔になったり、美観を損ねたりする可能性には注意してください。
賃貸住宅にお住いの方は、賃貸契約を確認しましょう。水道直結型は水栓への加工が必要になるため、原状回復を条件に設置を認める場合が多いですが、初めから不可とする賃貸住宅もあります。
水栓形状で取り付けられない場合は、シンク下から分岐させるか、水栓ごと取り換える必要があります。
設置工事費用がかかる場合がある
水道直結型ウォーターサーバーの工事費用は、0円～10,000円程度です。無料で設置工事できるサーバーもありますが、最低利用期間が3年～5年程度に設定されている場合が多く、途中解約で違約金が発生する点に注意してください。
初期費用をできるだけ抑えたいときは、キャンペーンを活用して無料設置期間を狙うのがおすすめです。
移動や引っ越しのときは再度工事が必要
水道直結型ウォーターサーバーは、水栓とサーバーをホースで繋ぐ必要があるため、移動や引っ越しの際には、再工事が必要です。そのため、使いにくく設置場所を変えたい場合や、引っ越す可能性があるときには、工事費用や手間がかかることに注意してください。
「水道水補充型」ウォーターサーバーのメリット
設置が簡単
水道水補充型ウォーターサーバーは、自分で水道水を汲んでサーバー内のタンクに補充するタイプです。水道直結型のような工事は不要で、電源コンセントがあればどこでも設置できるため、置き場所に困りません。
たとえば、水栓から遠いリビングの一角や、部屋の模様替えで設置場所を頻繁に変えたい家庭に便利です。また、水栓への取り付け工事が不要なため、賃貸住宅や引っ越しが多い家庭にも向いています。
水質向上
水道水補充型ウォーターサーバーの水質は、活性炭などを使うフィルターが一般的です。水道直結型では不純物やミネラルも除去できるROフィルターが選べますが、水道水補充型は浄水ポットよりも高性能なフィルターの採用がほとんどです。
高性能フィルターを使って水道水をろ過すると、残留塩素などの不純物が除去できるので、カルキ臭さが軽減されます。不純物除去率が80％とされるサーバーもあるため、安心してお水が飲める点がメリットです。
初期費用が比較的安い
水道水補充型ウォーターサーバーのメリットのひとつに、コストパフォーマンスの高さが挙げられます。水道直結型のような工事が不要なため初期費用が安く、月々のサーバーレンタル代が水道直結型と比べて安い点もメリットです。
水道直結型のサーバーレンタル代は月々4,000円前後ですが、水道水補充型は月々3,000円前後で利用できる点が特徴です。
「水道水補充型」ウォーターサーバーのデメリット
水道水補充型ウォーターサーバーは、自分で水道水を補給する必要があります。デメリットがいくつかあるため、導入前に確認しておきましょう。
水を補充する必要がある
水道水補給型ウォーターサーバーは、サーバー内のタンクに自分で汲んだ水道水を入れて使います。ピッチャーなどに水道水を汲んで運ぶ必要があるため、水道がある場所からサーバーが離れていると給水の手間を感じる可能性があります。
特に注意が必要なのは、お水を大量に使用する場合です。店舗やオフィスのように多くの人がウォーターサーバーのお水を飲むシーンでは、不便に感じる可能性があります。
また、ピッチャーなどで水道水を汲み給水する際に、お水をこぼす可能性にも注意が必要です。寝室のように寝具がある場所や、オフィス機器がある書斎では、お水をこぼす心配がない水道直結型やボトル型ウォーターサーバーのほうがいいかもしれません。
タンク容量の制約
水道水補充型ウォーターサーバーのタンクは、3L～6L程度です。タンク内にお水がなくなれば補充しなければならないので、家族や来客が多い家庭では、給水の手間が増える点に注意が必要です。
水道直結型もタンクの容量は限られますが、タンク内にお水がなくなれば自動で給水する仕組みのため、タンク内のお水切れを心配する必要はありません。このようなことから、1人暮らしや一般家庭には水道水補充型、オフィスや大家族には水道直結型がおすすめです。
水質改善の限界
水道水補充型ウォーターサーバーは、浄水ポットより高い水質を実現します。しかし、フィルターを使ってもすべての不純物を除去できるわけではありません。
赤ちゃんや高齢者が飲むお水など水質が良いお水を求めるときは、ミネラルも不純物もほぼ除去できるRO（逆浸透膜）式のフィルターを採用している水道直結型ウォーターサーバーをおすすめします。また、RO水を提供するボトル型ウォーターサーバーも選択肢に入ります。
「水道直結型/水道水補充型」共通のメリット
環境に優しい
水道水を使ったウォーターサーバーは、ボトルを使用しないため環境に優しい特徴があります。廃棄ボトルが発生せずゴミの削減や、ボトル配送に伴う化石燃焼消費がなく、ボトル洗浄の環境負担もありません。
結果的に、天然資源の消費抑制に繋がり、温室効果ガスの排出抑制や低炭素化に寄与します。さらに水道水を使う理由から、水資源の保護効果も期待できる点もメリットです。
コスト削減
水道水を使ったウォーターサーバーは、月々のサーバーレンタル代と、わずかな水道代・電気代で使えるメリットがあります。定期的に水ボトルが必要になるボトル型ウォーターサーバーでは1L当たりのコストは100円程度なのに対し、水道水を使ったウォーターサーバーはわずか数円です。
水道水を使ったウォーターサーバーは初期費用がやや高めですが、長期的に見ればコスト面でお得です。
水切れの心配がない
水道水を使ったウォーターサーバーは、水道水の供給が止まらない限り、水切れの心配がありません。一方で、ボトル型は定期的な配送ですが、いつもよりお水の消費量が多いときや、注文を忘れると水切れのリスクがあります。
「水道直結型/水道水補充型」共通のデメリット
水道水を使ったウォーターサーバーには、いくつかのデメリットがあります。水道水を使うことで逆に手間が増えたり初期費用が増えたりする点に注意が必要です。
メンテナンスが必要
水道水を使うウォーターサーバーは、フィルターで浄水しています。そのため、定期的にフィルターの交換が必要で、人によっては手間に感じるかもしれません。
また、タンクの定期的な清掃が必要な点にも注意してください。メンテナンスを怠ると、雑菌が繁殖しやすくなります。
初期費用が高め
ボトル型ウォーターサーバーなら初期費用0円でも導入可能ですが、特に水道直結型ウォーターサーバーは工事費の初期費用が高くなる点に注意してください。初期費用を抑えながら水道水型を選ぶなら、工事が要らない水道水補充型を選びましょう。
災害時の備蓄にならない
災害時に水道水の供給が止まると、水道水型のウォーターサーバーは使えなくなります。お水を備蓄するなら、ペットボトルやボトル型ウォーターサーバーを利用しましょう。
（まとめ）水道直結型・水道水補充型ウォーターサーバーのメリットとデメリットとは？
水道水を利用した水道直結型・水道水補充型のウォーターサーバーにはそれぞれメリットとデメリットがあります。水道直結型は便利で安定供給が可能ですが、初期費用や設置工事が必要な場合があります。
一方、水道水補充型は設置が簡単で初期費用が安い反面、定期的に水を補充する点は手間に感じるでしょう。自身の利用スタイルや予算、設置環境などを考慮し、コストパフォーマンスの高いウォーターサーバーを選ぶことをおすすめします。